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「ルカが年下?」
リアが呆れたように、ルカに視線を向ける。
「やだ、なに、さっそく独占欲?」
「別に」
「じゃなかったら、何なのよ」
「こいつどこから来たかも分かんねえし。――――……オレが居ないとこに行ってる時に、どーかなったら困るだろ」
「どーかって何よ」
「さあ」
「どーかなるならルカが居たってなるんじゃないの」
「知らねえけど、とにかく、ダメだ」
オレを腕の中に抱えたままのルカとリア、2人の応酬に、オレは、ため息。
……色んなとこ、連れてって欲しいなあ……。
もっと、飛びたいし。
「もぅ、ソラはソラで、行きたいとこに行くべきでしょっ」
リアの一言に、心がフワフワしてしまう。
そうだよね、オレ、自由なはずだよね。
と思ったら。
「こいつ、オレのもんだし。なあ、そうだよな?」
ルカの目に、じっと見下ろされる。
…………そうでした。
うん、と頷くと。
「ベッドでも泣かされて、それ以外も自由にもしてもらえないとか、ソラが可哀想だよ?」
リアの言葉に、顔は見えないけど、一瞬ルカが黙って。
「……だから、行きたいとこが有るなら、一緒に行くって」
ルカのセリフに、だからそうじゃなくて、とリアが言ってくれてるけど。
「リア、オレ、大丈夫。この町も楽しそうだし」
何か、こんなよく分からない事で、こんな抱えられたままこんな感じになっても……。
そう思って言うと。リアは、ふーと、息をついた。
「……なんか、ありがとね、リア」
「んー、ソラ、可愛いなぁ」
お礼を言うと、リアはよしよし、とまたオレを撫でた。
「ねえ、ソラって、何才?」
「オレ、20才」
えっ。
という感じで、皆がオレを見た。
「もっとずっと下かと思ってた。あたし23才だから、3つ下なんだ」
と、リアが笑う。
「同じ年なんだね。もっと下かと思ってた」
「オレも」
キースとゴウが、クスクス笑う。
そんな中。
「……お前、年上なの? 嘘だろ?」
そう言ったのは、ルカで。
「…………え?」
今、なんと??
「オレ、18」
「!!」
嘘だろ。ルカ、18?
年下なの? 18?
どーすればこんな、えらそうな18が出来上がるんだ??
ひとかけらも、年下なんて思ってなかった。
「――――……年上かー。見えねえな」
しみじみ言いながら、ルカがオレを見てる。
「……ていうか、オレのこと、何才くらいだと思ってたの?」
むむ、と聞いてみると。
口々に、15とか16とか17とかって言ってる。
「きっと、のんきな世界で、幸せに生きてきたんだろうな?」
ゴウがクスクス笑って、オレを見る。
……たしかに、この世界みたいに、命の危険とか、そこまで無いし。
町から町に行くまでに魔物に襲われるとかもないし……。
日本は、そこそこ平和な国だから……たしかに、のんきに生きてきた、と言われてもしょうがないかも。
少なくとも、皆みたいに、戦うために、体を鍛えたり、技を覚えたり魔法を覚えたりしなくても生きてこれてるし。
「幸せにって悪いことじゃないよね。どうりで、ソラ見てると、ほのぼのすると思った」
とキースも笑う。
ゴウとキースが2人が、タメっていうのも、なんか――――……。
全然ピンとこないんだけど……。
でもそれよりも何よりも。
……年下なのか、ルカ。
しかも2つも??
なんか、翻弄されて、好きにされてるとか思っていたのに、
なんなら、オレが、年下を手籠めにした的な……???
いやいやいや。
意味わかんない。やっぱり好きにされてるの、オレだしー!!
なんか、頭、ぐるぐるしてきたぞ。
やっぱり、この夢、そろそろ覚めてくれないかなあ……。
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