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「ルカのもの」※

     宿屋について、ルカが宿の主人と話してるのを、後ろで、ため息をつきたい気分で聞いてると。 「ソラ、部屋、先に行ってろ。2階の、ドアに赤い札の部屋」  そう言われて、頷く。 「風呂で待ってろよ」 「……うん」  風呂で待ってろ、なんて、男に言われる日が来るとは思わなかった……。  ため息つきつき、2階にあがり、部屋に入る。  昨日と同じ感じ。  大きなベッドと、サイドテーブル、鏡、風呂、トイレ。  風呂もトイレも、普通。  これは、ゲーム設定をしたのが日本だからなのかな。それともオレの夢だから、願望がかなってるのか。ちゃんと水で流せるトイレだし、風呂はシャワーもついてる。  服を脱いで、木でできたカゴに入れる。  全裸になって、シャワーを浴びる。  魔法で綺麗に出来るなら、風呂って何で入るんだろ。  やっぱり気持ちいいから??  まあ、魔法が使えない人は入るしかないんだろうけど。  そんな事を思いながら頭を洗って、体を洗う。  置いてある石鹸はなんだかすごくいい匂いで。フルーツ?かなあ。  全身泡立てていた時。  ……昨日今日と散々な事をされた後ろが、ふっと気になって。  大丈夫なのかな、どうかなっちゃってないかな、と、一度気になったら、もう、気になってしょうがなくなった。  思い切って、後ろに触れてみる。  手で触るなんて初めて。  石鹸でヌルヌルしてるそこは、特に腫れてたりする事はなさそうで、ホッとする。 「………………」  思い切って、少しだけ、指を中に入れてみる。  少しだけだから、痛くはない。違和感しかない。  こんなとこに、あんなの、何で入るんだろ。  しかも、気持ちいいとか……。  今、全然気持ち良くないし――――……。  やっぱりここは、そういうことに使うとこじゃないはずなんだけど……。  ……。って。おーい。 オレ、何してんだ。  はっと気付いて、指を抜いた。  ブンブンッと首を振って、手を石鹸でゴシゴシ洗ってしまう。  何やってんだ、オレ……。酔ってんのかな。  その時。急に後ろで扉が開いた。やってた事があんまりなので、必要以上に、びくう!!っと震える。  よ、良かった、後ろに触ってる時じゃなくて。  焦りながら振り返ると、全裸のルカに、怯む。  抱かれてた間、散々ルカの裸も見たし、抱き付いたりもしたけれど、完全に全裸で間近に立たれると。  ――――……良い体すぎて、圧迫感有りすぎて。  ルカの体の前に立つと、思い知るというか。  ルカの体を男として片方において、反対側を女の子としたら。  オレって、どう考えても、女の子寄りの体だよな……。もっと鍛えておけばよかったと、今更な事を思っていると。  ふと、ルカの持ってる変なものに目が行った。 「ルカ、何持ってんの?」 「んー……オレも初めて買ったけど」  なんか、変な形状の、おもちゃ。  …………聞いた時は何も考えずに、なんだろ?と普通に聞いたんだけど。  ルカの返事の不自然な感じと、その形状を見てると。  …………変なグッズ、としか思えなくて。 一気に脱走したくなった。  ルカがその変なグッズを弄ってる隙に、ざざっとシャワーを浴びて。 「お、れ、もう洗ったから、出とくね、ごゆっくり……」 「――――は? ……逃げんな」  低い声のルカに、腕を掴まれて、引き戻される。 「っ……ていうか、何、それ……」 「……さあ。初めて使うから、どうなるか見せろよ。とりあえず、中、洗う」 「なかあらう??」  ルカの言葉の、意味が分からなかった所を繰り返すと。  くる、と反転させられて、ルカに背中を向けて、立たされる。 「手、前についてろよ」 「――――……っ」  シャワーを持ったルカに、腰を突き出すような形で固定されて。  石鹸をつけたルカの指に中を洗われて。水も入れられて、出させられたり。  なんか、恥ずかしくて、かなり屈辱的で、最悪な時間だった。  何とか保ってた意識で、途中で、魔法使えばいいじゃん!と思ってそう言ったけど。 「……お仕置きだから、そんな楽な事しない」と言われて。  散々中を洗われて。 もう、マジ泣き。 「――――……よし。綺麗んなったな」 「………………っっ」  ……もうルカ、マジで嫌い。  なんだか怖くて言えないけど、心の中で、思う。 「――――……ソラって、結構モテんの?」 「……そんな、モテない、よ……」  しゃくりあげながら、答えてると。  むに、と頬に触れられて、親指で唇に触れられる。 「つか、お前今日だけで、別の奴と2回もキスしてるからな」  苛ついた声で、ルカが言う。  あ、やっぱり、2回目のも、見ちゃってたのか……。  それでこれなのか……。  ていうか、ゴウのもカウントに入れられてるし……。  オレの体を綺麗に流して、風呂場も綺麗にした後。  ルカは、また、オレに壁に手をつかせた。 「……動くなよ?」  散々弄られたそこに、何かが、ゆっくり、差し込まれる。  洗われると同時に解されていたので、痛みも無く、それを受け入れてしまう。  ぞわ、とした感触に、ぶる、と震える。  ぐぐ、と奥まで入れられて。  んん、と声が漏れる。ぎゅ、と壁についた手を握る。 「――――……そのまま待ってろ」  言うと、ルカはオレから手を離して、自分の体を洗い出した。 「……?」  入れられただけで動かされなければ、気持ちは悪いけど、大丈夫、かな……。  そう思って、しばらくそのまま、壁に寄りかかって立っていると。  なんか、中で急に動き出した。 「え……ひ、あっ……!」  びっくりすると共に、足が崩れて、床に膝をついた。 「や……何……これ……」 「……体温で温まると、動くらしい」 「……っやだやだ、取ってっ……っ」 「――――……ダメ。待ってろよ」  そう言って、手早く自分を洗ってる。 「……あっ……! やだ……っ」  ……気持ち、悪い……!! 「んんっ……っ やだ、取って……っルカ、……や、だあっ」  シャワーを止めたルカが、オレの腕を引いて、立たせた。 「――――……ソラは、オレのじゃねえの?」 「っ……っルカのだって、ば……っ」  見下ろしてくるルカに、一生懸命応える。 「魔王倒すまでオレに付き合えって言ったよな? オレのモノって、言ったろ?」 「……っ言った、てば」 「ふらふら色んな奴にすり寄ってるようにしか、見えない」 「……っしてないよっ……」  オレの体温が上がる都度、中のそれはますます、異様な感じで動いて、中の、色んな部分を擦ってくる。  ルカに快感を叩き込まれた部分も、容赦なく、刺激されて――――……。 「……ひ、あ……っ」  ルカの腕にぎゅ、と捕まって、その胸に、頭を押し付ける。 「……オレのモノって言った意味、分かんねえの? ソラ」 「…………っわかる、てば……っ」  俯いてた顎を取られて、上向かされる。 「――――……キスしろよ、ソラ」 「――――……っ」  ルカの腕に捕まるようにして。少し屈んでるルカに、唇を重ねた。 「……簡単にキスさせんな」 「……うん」  もう分かった。ここの人達のキスの概念が、ゆるゆるなのは。  あと、ゴウのキスにすら、こんなにルカが反応するって事も。  ちゃんと警戒、するから。 「分かった?」 「……っ」  何度も頷くと。  噛みつくみたいなキスが、降ってきた。    

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