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「ずっと?」
しばらく体の熱を冷ましながら、色んな事を話していると。
ふとキースが言った。
「あ。ルカたち居たよ。酒飲み出したな、あの2人」
クスクス笑うキースの声に、そちらを見ると。
結構離れた所で、2人が温泉の端に酒を置いて飲んでるのが見える。
こっちには、気づいてないみたいな気がする。
「ほんとだ。あ、キースも飲みたかったら飲んでね?」
「良いよ、夜酒盛りするって言ってたし」
「あ、そういえばそっか……」
「あの2人の酒に付き合ってらんないよ。特にルカね」
「そうなんだ」
ふ、と笑ってしまう。
確かにいつも結構飲んでんのに、全然平気な顔してるっけ。
と。
そこへ。
なんかお酒を持った女の子達が、ルカとゴウの隣に入っていく。
なんだ。あれ。
当然のように、一緒にお酒飲んでるし。
思わず、む。としてしまったかも。
キースがオレを見て、それからルカ達に目をやって、ああ、と苦笑い。
「――――……あれはお酒飲んでるだけだよ。ルカもゴウもモテるからさ」
「……キースもモテるでしょ」
「あの2人は特別だなー。雄って感じ、強いだろ?」
「……つよすぎだよ。キースのが良いって人いっぱい居るでしょ」
「まあ。相手には困らないけど」
「だよね」
うんうん、分かる分かる。
優しそうで。実際優しいし。
キースの方が王子様って感じのイケメンだよね。
「一緒に旅してると。ほんとによく言い寄られてるよ」
「……ふーん」
何か。
そういうのが嫌で、離れといてなんだけど。
……ムカつくな。
モヤモヤする。
……ルカがどっかで発散してくれれば、楽、な筈なのに。
何でモヤモヤするのかな。
別にオレ達、恋人とかじゃないしな。
モヤモヤすべきじゃ、ないんだけど……。
「ソラは、そういう相手って、1人、て感じなんだよね?」
「うん。向こうの世界は、大体の人はそうだと思うんだけどな……」
まあ浮気したり不倫したりって話はざらにあったけど。
……そんな、一晩とか、会ってすぐとか、そんなのしてる人達、そこまでいっぱいは居ないと思うんだけど。……オレの周りに居ないだけ?? 分かんないけど。
「こっちはさ。本能に忠実と言うか。特に、ルカはそーいう欲、強いから、ソラ1人で相手するのは大変だと思うんだよね」
「――――……ん……」
それは思うかも……。
「だから、まあ今はさ、ずっと一緒だから仕方ないけど。 ルカが他で発散するのは、それはそれで良いって思った方がいいかも」
「――――……」
「ソラは男だし、きついだろ?」
「――――……」
まあ……きつい。けど。
「ルカは、ソラに誰かが触れると今は邪魔してるけどさ。 元々はそんなタイプじゃないんだよね。今が不思議な位」
「――――……」
まあきっと。
今までの会話全部集めて来れば、きっと、ルカってそういう感じなんだろうなあとは、分かる。
何となく、キースを見つめながら、うんうん聞いていると。
キースは、ふ、と笑った。
「まあさ。 ソラが、ルカとずっとしてたいなら、今のルカはそんな感じだし、それでも良いんだけどね」
「――――……」
ずっとしてたい。
……ええーーーー? それもちょっと、頷くのには、かなり躊躇う。
うーんうーん……。
悩む……。
しかめっ面で悩んでいたんだと思う。
隣でキースが、クッと笑い始めた。
「シワ。ひどいなー」
眉間をすりすりと、擦られて、しわを伸ばされた。
擦りながら、キースが、可笑しそうに笑い出した。
「え、そんなに?」
「この質問、失敗だった。ソラの顔がすっごいしかめ面になっちゃった」
クスクス笑うキース。
「そんな笑わなくてもいいじゃん……」
もう。結構笑い上戸だな、この人。
そう思いながらも。何だかつられて笑ってしまう。
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