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守る*ルカside 1/3

 ……寝にくい。  抱いてすぐ、余韻も何もなく、大変だよねとか言われて、早く寝よう、と無理やり頭を抱かれた。  ぎゅう、と抱きしめられて。  なんだか可笑しくて笑ってしまった。  色気ないのもなんかソラっぽいし。  まあいっかとソラの背を抱いて、少し目を閉じていたら、すぐに寝息が聞こえてきた。それでも、そののまま、ぎゅっと抱き締められている。  こうやって、頭抱えられて寝るのは、そんなに寝心地が良いものではねえな。そう思うが。  なんだかソラが愛おしくて、しばらくそのまま動かずに、目を閉じていた。  オレの方が頭を抱えられるなんて、今まで一度もない。  抱く相手を、必ずしも完全に信用してないというか、信用しないようにしていたから、視界が遮られるこんな抱えられ方。された瞬間に、解いたと思う。今までの相手なら。  まあ、オレを抱えようなんて女は、そもそも居なかったけど。居たとしても、そんな風にされたままなんて絶対無かったはず。  なのにさっき、オレを抱き締めたソラの手を、これっぼっちも離そうとは思わなかった。 「――――……」  そっと、ソラの手を離して、ゆっくりと、その腕の中から起き上がる。  体を起こして、隣で寝ているソラの髪の毛に触れる。  起こさないように優しく触れて、撫でる。  なんか。空に心配させてるみたいだな……。  ふ、と微笑んでしまう。  確かに今回の魔物は、魔法があんまり効かず、打撃もそのままでは効かない、厄介な魔物の類。あれが一体何体いるのか。半日海に居て二体だから、そこまでは多くはないのかもしれないが、まあ多少厄介ではある。  でも、あれくらいなら何とでもなるし、そんなに心配もしていないが、あれの親玉みたいなのが居て、そいつも魔力も打撃も効かず強いとなると、かなり厄介かもな……。  それで、あの小さいのを、戦いながらもしも生み出すことが可能とかなったら。  どう戦うべきか……。  そう考えるけれど、確かじゃないことも多いし、結局行き当たりばったり、対峙してから戦い方を考えるしかない。  ただ、攻撃が効きにくい、というのは考えていた方が、良さそうだが……。 「……る か……」  眠ったまま、オレの名前を呼ぶ。  さっきまでオレを抱えていた手がなんだかもぞもぞ動いている。  なんとなく手を伸ばして、その手に触れると、きゅ、と握り締められた。  柄にもなく、なんだか……かなりくすぐったい気持ちになる。 「……ソラ」  小さく呼んで、ソラの顔の横に手をつくと、ぎし、とベッドが軋む。  ゆっくり近づいて、そっとキスする。  ……柔らかい、唇。  ペロ、と舌でなめると、オレの手を握りしめている手がぴくん、と動いた。 「……ン…………」  少し、唇が開く。  舌を入れて、ソラの舌に触れる。 「……ん、ン…………」  緩い、喘ぎ声。  ……は。すっげー、可愛いな……。  しばらく、優しく、舌で触れてから。  欲情しそうで、このまま起こしてもう一回?とも一瞬思ったけれど。  心配したまま、うとうと可愛く眠りについてソラのことを思い出して、今日はやめることにした。  ゆっくり離して、ソラの前髪を上げさせて、額にキスする。  ……何してんだか、オレ。  寝てる相手に、こんなこと、し続けてるとか。  ソラにしか、したことねぇんだよな……。  スヤスヤ寝てる無邪気な顔。  起きてると、意地っ張りで、可愛くない時も多々あって。  しかも男だし。……興味持ったことすら、初めてだしな。  何で、こんなのが、こんなに愛しいんだか。  何度か不思議に思うことを、またそう思うけれど。  ソラを見てると、ふ、と、顔がほころぶのは、確かで。  そんな人間。初めてだ。  

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