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「怖いけど」

「……ん、ぅ……ッ……」 「ソラ」 「……っ?」  必死で、涙のにじむ瞳で見上げると。 「……奥、好き?」 「……っ……ん、んん……あっ……」  一番奥を刺激されて、ルカを見つめたまま、きゅ、と眉を寄せる。 「好き?」 「……っは…… 好き……ていうか…………き、つい……」  言った瞬間。下腹に、ルカの手。  前もされたのをふいに思い出す。 「……それ、や――――……っあ……!」  押された瞬間。  中と外の、感じるところ、一気にされてる感覚になって。 「……は……ん、ン……ル、カ――――……」  気が遠くなる。  ――――……こんなに抱かれることに、慣れて。  キス、される、てことに慣れて。  イくのとかも、全部ルカの思うままにされることが気持ちよくて。  ほんと、ヤバいな、オレ……。 「……っあ……ッ……」  圧迫感が、すごい。  こんなのに、中をこすられて、快感しかないって――――……。 「……ル、カ……っ……ん……ッ」  声が、止まらない。  ――――……甘えてるみたいに聞こえる、自分の声が嫌で、出さないようにって思うのに、全然、叶わない。 「……っん、ぁ……ッ!」  ルカが中で、イくと。  何度目か、オレも一緒に、昇り詰める。 「――――……は……っ……あ……」  息を整えることもできないまま、キスで唇を塞がれて。  んん、と、もがくと。 「ソラ――――……」  抱きすくめられて、キスされる。 「……っふ…………」  ああ、なんかもう――――……こんな風に毎回、激しくされてると……。  ……この熱が、気持ちよくなって――――……。  なんだかなあ、もう……。 「……る、か……」  ぎゅう、としがみついて。  ルカのキスに応える。 「――――……」  で、そのまま。  ――――……寝落ちた。    激しすぎて疲れたのと。酸欠も、あって、ぼんやりするし。  気持ちよくて、うとうとしてきたのと。  ……腕の中、安心、してるのと――――……。  なんか、色々。とにかく、ふうっと、眠ったんだと、思う。   ◇ ◇ ◇ ◇  どの位、寝てたんだか――――……突然、船が、大きく揺れた。  何体も出てきた魔物の衝撃だと全然起きなかったオレが。  ルカの腕の中に居てすら、一瞬で目覚めるほど。  何だか、皆は小さいっていうけど、十分大きいと思っていたあの魔物の、威嚇するような声――――……と比べ物にならないほど、デカい、声というか叫びが轟く。耳が痛い。  オレを抱いてたルカはオレを離して、素早く起き上がると、何かを唱えたかと思ったら、一瞬で服を身に着けた。  うわ。そんなこともできるの、どうやってんの!? と、こんな時なのに、そんなことにびっくりしてる間に、ルカは剣を手にして、オレを振り返った。 「いつもは中に居ろって言ってたけど、今回は見えるところに居ろよ。階段の途中とかでいい。攻撃が全く効かなくて本当にヤバいってなったら、最悪、リアの魔法で一度町に戻る。そん時はリアの近くに行けるように、離れて見てろよ」 「分かった」 「剣、身に着けて来いよ」 「うん」  オレが頷くのを確認すると、ルカが部屋を出てこうとする。 「ルカ、気を付けて!」  思わず、叫んだら。  一瞬振り返って、ニヤ、といつも通りの笑顔を見せてから、姿を消した。  ルカの笑顔に、少しだけど、ホッとする……。  ――――……でも、それでも、怖い、けど。  急いで服を着て、短剣も持った。  その間に、皆も駆けてく音が聞こえた。 「ソラ、まだ居る?」 「あ、アラン」  ドアが開いて、アランが顔を見せた。   「オレは舵のところに行くから。ソラも、いざという時のために」 「うん! リアの居るとこに行けるようにしとく」  そう答えると、アランも頷いて走っていった。  あとを追いかけようと、廊下に出ると、リアと一緒に居たミウがふわふわ飛んできた。 「ミウ、一緒に居よ」  手を伸ばすと、すぽっと腕の中。  こんな時だけど可愛い。  ……言ってる場合じゃない。  なんかさっきから、怖いからかな。  現実逃避しようとしてる気がする。  だってもう、聞こえてくる声だけで、恐ろしい。  ……しっかりしないと。  ミウをぎゅっと抱き締めて、看板に上がる階段を駆け上った。

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