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手作りの楽園で 1

 ぎゅうっと握り締めた手は汗でぐっしょりだ。  僕、『新名倫(にいな りん)』が悪夢にうなされるようになったのはいつの頃からか覚えてはいない。 「や……やぁったろちゃ  たろちゃんっ」  布団から飛び起きると、いつも枕元に置いてあるお守りがない。  慌ててベッドの下を覗くと、少しくすんだ白いお守りがカーペットの上に落ちているのが見えて、慌てて掬い上げる。  そうしたら、さっきまでドキドキしていた胸の音も、悪夢でぐっしょりだった体もすべてが凪いで、ほっとした心地になった。 「さすが、たろちゃんのお守り」  ずっと傍らに置いているせいか、白いお守りは少し汚れてくすんでしまっている。  けれど、大切で大切で、そんな汚れなんて気にもならない。  このお守りは幼馴染の『村林多郎太(むらばやし たろうた)』が持たせてくれた大事なお守りだ。  これを持っていると、なぜだか悪夢を見る事がなかった。  逆を言えば、これがないと僕は毎晩悪夢にうなされ続けていて…… 「んっ」  悪夢の内容はよく覚えてない。  だけど、見た後はどうしてだか必ず腹の当たりがずくずくと痛むように疼いて、ソコが立ち上がってしまっている。 「たろちゃ……」  お守りに頬を擦りながらそろりと下に手を伸ばす。  ちょっと伸びてきた柔らかい毛に触れながら更に指を伸ばすと、大きくなりかけているモノが指に触れて、僕の部屋には他に誰もいないって言うのに恥ずかしくなってきょろきょろと辺りを見回してしまう。  まだ真夜中で、母が起こしにやってくることもない。  それを確認して、張り詰めて熱いソレを手で包み込み、「たろちゃん」ともう一度呟く。  どく と応えるように手の中が脈打って、堪らず上下に擦る。 「んっ  んっ」  自分の部屋とは言っても、あまり大きな声を出すと母たちに聞かれてしまう可能性は十分にあるから、ぎゅっと唇を噛んで必死に手を動かす。  がむしゃらに上下させて、多郎太の顔を思い浮かべれば……  あっと言う間に手の中にとぷりと粘つく液体が吐き出される。 「たろちゃ  たろちゃん  」  名残のように出る精液を絞り出しながら、でも未だに燻るような腹の奥のじれったさに気づいて眉を寄せた。  いつからなんて覚えてないけど、イったのに体が満足しないそうな、不満が残るような気分になることがあって、その度に腹の奥が疼いてお尻の方がぬるりとする。 「……これ、なんだろ……」  保健体育で、性器から精液がでることは学んではいたけれど、お尻の方からもぬるぬるするものが出るとかは聞いたことがない。

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