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乞い願い慕い犯す 1
彼は光のような存在だ。
光そのものと言ってもいい。
健康的な肉体で日差しの中、生徒たちの先頭に立ち褒め称えられる。
そんな存在だ。
ぎぎ……と古びた教員用のデスクが軋む金属の音が思いの外大きかったらしく、彼……「堂本颯」ははっとしたように体を強張らせる。
人気のない学校は、昼間ならば気にはならないけれど、妙に音を響かせる造りになっているのだと気づいたらしい。
「ほら」
そう促してやると、こちらに意識を戻して睨みつけてからそろそろと両足をデスクの縁にかけた。
彼の肌は、余すところなく外気に触れているせいか全身を粟立たせ、そのせいかひどくびくびくと怯えて見える。
「こん、な……」
寒々しい恰好とは裏腹に、彼の目は燃え滾るような私への嫌悪感と悔しさで燃え上がり熱い。
叶うならば、その感情を込めたままその目をくりぬいて保存しておきたいと思うほど煽情的だった。
彼の言葉に応えないでいると、ぎり と歯を噛み締める音をさせながら観念したように彼はデスクの上に上半身を倒す。
そうすると私のところからは立てられた膝とその奥まった箇所しか見えず……
仕方なく立ち上がって彼を覗き込める位置まで移動する。
サッカー部で鍛えられた肉体は程よく日焼けて健康的で、滑らかな筋肉は大人のそれとは違い細いが子供のように貧弱なものではない。
しなやかな腕は今、私の目に晒されてどうしていいのかわからないまま体の脇に下ろされて拳を作り、伸びやかな足は小刻みに震えている。
その脚の間にある、柔らかな和毛。
わずかに茶色く見える頭髪よりは幾分黒く見えるそれに埋もれて、怯えて縮こまる性器が見えた。
「こんなことして……っ何が楽しいんだ っ」
ぎりぎりと噛み締めた歯の隙間から漏れる呻きは、もうすでに教師に向ける畏敬の念は込められてはいない。
「楽しい、のではなく。私は君を愛しているんだよ」
そう万感の思いを込めて告げたが、彼はひぃと小さな悲鳴のような呼吸をしただけだ。
「さぁ、開いて」
「 っ」
ぶるぶると瘧のように震える膝は、理性と羞恥と、それでも従わなければならない苦痛の表れだろう。
「っ 、くそっ」
平素の彼からは凡そ想像ができないほどの言葉だと思う。
彼は品行方正で、αらしく人を導いていく生徒会長でもあるのだから。
その彼が、私の前でゆっくりと膝を開き、秘された部分を晒す。
小麦色に焼けた太腿は途中から素の肌の色に変わり、更に続くその先は日に当たることがないせいか想像よりもはるかに白い。
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