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乞い願い慕い犯す 2

 そのさらに奥まった部分は濃い桜色で、花に例えるとはよく言ったものだと思わせるほど美しい皺を刻んでいる。  まだ固く、閉じた蕾は綻びを感じさせない。 「言いつけは守ったのかな?」 「  っ」  私の問いかけに、颯は幾分憤慨したようだった。 「あんっ……たが、っ……ちゃんとっあ、あら  」 「ナカも?」  重ねるように問いかけると言葉が途切れて続かない。 「きちんと教えたでしょう?オメガと違って我々は自浄作用に優れてはいないのだから、きちんとナカまで洗っておかないと」  ふっとそこに息を吹きかけてやると大仰なほど体を跳ねさせる。  お陰で、縁にかけていた足が落ちてくたりと元気のない性器が突き出されるような形になり、滑稽この上ない。 「ほら、足を上げて。落ちないように足首でも掴んでおくといいよ」 「っ……」 「きちんと掃除していないと言うのはよくないね。しかたない今日はナカには触れずにおこうか」    そう言うと明らかにほっとした様子を見せる彼に冷ややかな視線を向ける。 「子供の様なだだのこねかたをするために、あえて掃除をしてこなかったのかな?」  トントンと携帯電話を叩いて見せれば、こちらを見つめる目がおろおろと縋るものを探すように彷徨い、結局何も探しきれなかったのかてんで関係のない方へと向けられた。  そして、呻くように「違います」と青い顔をして告げる。  私は彼に、お仕置きをするべきなのかもしれなかった。  なぜなら彼はこれ以上なく貴重で、かつ神聖である私達二人の初めての性交のための機会を、下らないやり方でふいにしたのだから…… 「それは約束が違わないかね?」 「ちが……そうじゃない……本当に…………」  けれど彼の目は今は震えて定まってはいない。  無言で見つめると、視線は私の持つ携帯電話へと移り…… 「では、きちんと誠意を示してください」  そう告げると彼の余裕の表情が消えてゆっくりと落ちた足を上げ始める。  さきほどと同じようにデスクの縁に足をかけると、まるでそれしか縋るものがないかのように自らの足を掴んだ。  色を失った手に握り締められて、部活で鍛えられた足はあまりにも無力に見える。 「君は今、どう言った状態?」 「……は?」  私から見れば、全裸でデスクに横たわってあられもない箇所を見えやすくするために足を立てていると言うところだけれど…… 「……ね、寝転んでる」  至極簡潔すぎて思わず「はは」と笑いが漏れた。 「もっと細かく」 「こま……?」  困惑を隠せない顔はあどけなく、年不相応に幼く見える。  

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