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第6話
本宮はいつもより激しく唇を重ねてきた。
キスされるだけで義人は動けなくなる。
(いつもそうだ)
本宮のキスだけでなにも考えられなくなる。
ただ身を任せていれば、その先にある快楽を与えてくれるからだ。
いつの間にかハーフパンツは脱がされTシャツは上のほうまで乱暴にまくりあげられていた。
「もとみや?」
押し倒された義人の上には苦しげな顔の本宮がいる。こんな顔を見るのは初めてだ。
「おこっているのか?」
義人の両足が本宮の肩に掛けられる。
熱いものがあたる。
いつもなら、じれったいほどゆっくりと優しく慣らし、ひらかれる場所だ。
「や、やめ……っん」
いつもとは比較にならないほどの痛みに歯を食いしばった。
初めての時でさえこんなにつらくはなかった。
痛みのせいでますます力が加わり、いつも以上に本宮の形や動きがはっきりと伝わってくる。
義人の中で本宮が果てていくさままで、はっきりと感じられた。
「なあ、本宮って、俺が好きなの」
いままで怖くて訊けなかった言葉を口にする。
「義人って、本当に馬鹿?」
「ああ、おまえよりバカだから言ってくれなきゃわからねえ」
いつもは同い年とは思えないほど大人びた男の顔が、むくれた少年のようになってそっぽを向いて呟いた。
「す・き……だ」
熱帯夜にとけてしまいそうなほど小さな声だった。
終
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