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第7話 ぶっちゃけた話
「なぁ、椿の白獅子の遺伝って、父親の方だっけ?」
食後のラーメンを食べながら、結構なプライバシーにぶっ込んで来るのは、さすがの脳筋、聖としか言うことが無い。
でも、こっちもこっちなんだ。御曹司は公になってる部分も多いのか、気にする話題でも無いのか、やっぱり食後のフライドチキンを貪りながら答えていた。
「あ?俺?俺は母親の爺ちゃんの隔世遺伝らしいよ。うちの会社は母方だから。母親が獅子で、父親が鷹。」
俺たちは顔を見合わせて言った。
「鷹⁉︎」
「そーなの。凄い遠くまで見えるから、俺いつも悪戯しても捕まってたわ。はは。」
難しい顔した鱗川が低い良い声で呟いた。
「それって、よく爺さん結婚の許可出したな。白獅子コーポレーションは、由緒ある会社だから絶対獅子の後継欲しさに、獅子同士の結婚だけだと思ってた。だって家系が違うとどっちが生まれるか分かんないだろ?」
椿はチラッっと俺を見ると、言った。
「いやー、大恋愛だったらしくてさ。まぁ親父も爺さんが折れるほど、そーとー優秀だったらしくてさ。それで俺が生まれたもんだから、でかしたって爺さん喜んじゃって。
俺は隔世遺伝だけど、希少種のカリスマなだけで、中身はポンコツだから親は頭抱えてるよ。ハハハ。…だからさ、俺は御曹司なのに、自由恋愛が認められてるってわけなんだ。」
椿はそう言いながら俺をじっと見つめるから、俺は眉を顰めて言った。
「…そっか。だから椿はハーレム作るんだ。あれ、本能かと思ったけど、自由恋愛のためなんだな。」
椿は慌てて何か言おうとしていたけれど、その前に聖が俺に聞いてきた。
「で?雪は?何系かいい加減教えてくれても良いだろ。まぁ、何となく分かる気がするけど…。」
俺は何度かこいつらに聞かれたこの質問にどう答えようかいつも考えていた。でも結局良い答えが浮かばないままはぐらかしてきたんだ。
俺は聖の真剣な眼差しを見つめて、ああ、もうはぐらかすのも限界なんだと思った。
「…聖、お前俺がもう直ぐ発情期来るって言ったんだろ?俺が発情期終わったら教えてやるよ。」
3人の目つきが変わった気がした。俺は3人の熱の篭った眼差しから顔を逸らして言った。
「なぁ、ひとつ聞いても良いか。発情期きたら、女とするの?男とするの?男とするなら、俺って掘るの?掘られるの?」
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