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初雪**この想いを淡雪にのせて(1)

 日曜日。  木々に生い茂っていた緑の葉は赤へと変わって、やがて吹いてきた木枯らしのイタズラで飛ばされる。  枝ばかりの殺風景な木々が、赤、青、緑などの綺麗なイルミネーションを身に纏う、待ちに待ったクリスマスイヴ。  ああ、やっぱり雅さん格好いいなぁ~。  ぼくは隣にいるブラインド越しに写っている雅さんをこっそり盗み見る。  背が高くてスラッとした体型。首元を開けたグレーのVネックから覗く鎖骨に色香を出した肌の上からアウターを羽織っている広い肩。足が長いのは見ただけで十分わかるのに、スリムスラックスが余計に引き立てる。  どこかの雑誌から抜け出したようなルックスと甘いマスク。  対するぼくは――っていうと、黒のタートルネックにグレーのジャンパージャケット。寒いからという理由で起毛のトレーニングパンツ姿だ。  何も考えずに寒いという理由で着込んでしまった服で、もはやコーディネートでもなんでもなくなっている。  せっかく好きな人と歩くのに、しかも隣にいるのが半端なく格好いい人なのに、ぼくがこんなだから釣り合いも何もとれたものではない。  今更後悔しても仕方がないけれど、せめてもう少し隣にいる人のことを考慮して着る服を選ぶべきだった。  道行く人々の視線がちくちく痛い。  気になって視線を辿れば、男女問わず、みんなが雅さんを見てため息をこぼしたり、何か眩しいものを見るようにして目を細めたりしている。

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