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クリスマス(後編)

「その無自覚な発言。本当に困る……」 「困っ? えっ? あの? えっ?」  雅さんの手が伸びてきて、そうかと思えば両肩を掴まれた。  そのまま――。 「み、雅さんっ?」  ぱふん。  ベッドに押し倒されました。 「あの、あのあの!」  はぁ、とため息を漏らす雅さん。 「……ほんと、可愛いなぁ」 「可愛っ!?」  可愛くないよって言おうとしたら、  ぼくの背中に力強い腕が回る。  ギュって強く抱きしめられた。  だけどどうしよう。  雅さんが近すぎる!  ぼくの心臓がもたないよ。 「あ、あの。お出かけ……は?」  震える声で訊ねると、 「まだムリ」  ぅえええええっ!?  雅さんの体温がぼくを包む。  すごくドキドキするよっ!    サンタさん。ぼくはいったいどうしたらいいんでしょうかっ!? 《クリスマス/完》

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