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クリスマス(中編)

「支度、できた?」  コンコン。  ノック音と雅さんの声が聞こえて慌てるぼく。  着られたけど、でも、どうしよう!  まだ寝グセついてますっ!! 「あわわわ、あわわわ」 「入るよ?」  ノブが回される。 「ま、待って……」  まだ心の準備ができてませんっ!  震える声で伝える中、  ドアが開いて、雅さんが入ってきた。  ぼくはギュッと裾を掴み、顔を俯けたまま気を付けする。 「うん、可愛い可愛い」  鏡に向かって立っているぼくのすぐ後ろ。  雅さんが立ってる。 「か、可愛くなんてっ!!」  ひ~ん!  寝クセが直らないよっ!!  こんなんじゃ嫌われちゃう!!  せっかく両想いになれたのに初日に嫌われるなんて前代未聞だよね。  雅さんに愛想を尽かされると思うと目尻に涙が溜まってしまう。    泣かないように目をぎゅっと閉じると、 「ひゃっ!」  後ろから雅さんに抱きしめられた。 「昨夜のこと、思い出してくれた?」  耳孔に甘い息がそっと触れる。  くすぐったい。 「あ、は……い」  どうしよう。  心臓バクバクいってる。 「よかった。危うく俺の片思いになってしまうところだった」  雅さんのクスリと笑う声がした。 「――っ」  ない。有り得ないのに……。 「ぼく、の方が……片思い、だから……」  ドクン、ドクン。  大きく跳ねる心臓。  ぼくの声は心音よりもずっと小さい。  掻き消されて何も聞こえないんじゃないかって思った。  ぼく、きっとおかしなことを言ってしまったのかな。  返事がない。  雅さんが無言になったから顔を上げて向き合う。 「あの?」  恐る恐る視線を上げると、

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