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春の誕生日と儀式に。22
「·····?」
指先に伝わる固い感触。
それは何だろうと思ったのは一瞬のことで、初めて葵人と会った時に見た、挿れられていたバイブだと気づき、「葵人、尻の中のやつ抜くぞ」と言って、ゆっくりと引き抜いていく。
「まっ·····はぁ·····ん·····あ·····っ、ダメ、そこっ、んあっ!」
ズボッと抜いたと同時に一際大きな嬌声を上げ、ピュッと先端からまた勢いよく射精していた。
「また、出ちゃった·····」
息を乱しながら、嬉しそうに言う葵人の背中辺りを優しく撫でながら、手に持ったバイブを見やる。
それは陰茎を模したバイブであった。ずっと葵人の中に挿入 っていたのもあって、蜜にまみれ、より淫猥なモノに見えた。
「あ、それ··········取ってくれてありがとう」
「ああ。これで邪魔なものが無くなったな」
優しく葵人を布団に横にすると、下着ごとズボンを下ろし、下着の中で窮屈にしていた自身のを晒す。
「今度はこれで慰めてやる」
「うん。僕のここ、十分に解れているから、挿れていいよ」
立てた膝を大きく広げ、両の指で萎みを拡げて見せつける。
その姿がなんともそそがれる。
ごくんと唾を鳴らした後、そこに自身のを宛てがうと、ゆっくりと挿入する。
皮肉にもさっきのバイブのおかげで思っていたよりも中は狭くなく、悠々と中へと挿っていく。
「あ、·····んっ、はぁ·····」
苦悶に顔を歪めているのだが、漏らす声が艶めかしく、その声をいつまでも聞きたいが、「キス、して·····」とねだられたため、唇を重ねる。
まるでついばむようなキスに葵人は虜になったかのように、夢中になってしてくるため、こちらもそれに応えた。
そうこうしているうちに全てが葵人の中に挿り、葵人もそれに気づき、愛おしそうに下腹部を触る。
「僕の中に西野寺君のが挿っているだなんて。嬉しいな·····」
「俺も、葵人の中に挿れられて、嬉しい」
添えている手に手を重ねた。
碧衣よりも少し小さめの手。
男らしい、骨ばった部分もあるが、どちらかというと女のように丸みを帯びている。
それをそっと撫でると、碧衣は言った。
「腰、動かしてもいいか?」
「·····いいよ。西野寺君のでお腹を満たしたい」
不安げに、だが、瞳の奥は物欲しそうにしている葵人の額に口づけると、腰を動かした。
相手の様子を窺うように、ゆっくりと。
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