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第16話
2ー4 イベント?
「あの、さ」
俺は、聞きにくいことを思いきって聞いてみることにした。
「俺がその、この子を、勇者?だっけ、産めば世界は滅ばないってことなのか?」
「さすが、セツさん。まさにその通りです!」
美少女がぶんぶんとヘッドバンギングした。
「すべては、あなたにかかってるんです、セツさん」
「うぅっ・・」
俺は、激しい葛藤の末に悩んでいた。
ロイには、感謝している。
けど、あんな恥ずかしいことされたし。
だからといって、命の恩人を見捨てるのか?
それとも、男なんだが堪えて子供を産むべきなのか?
俺の頭の中は、ぐるぐる回っていた。
不意に、夢の中に出てきたロイのことが思い出された。
あのとき。
ロイは、俺に何を伝えようとしてたんだ?
そして。
俺は、決意した!
「わかったよ」
俺は、ため息をついた。
「その代わり、痛いのは嫌だからな!」
「了解しました!」
美少女が満面の笑みで頷いた。
「もちろん、これからはセツさんには痛みに対する耐性のスキルを付与します。あっ、それから回避機能のスキルもお付けします。この世界の誰ももうセツさんに攻撃を加えられなくなります。後、どんな人も魅了できる力も、それに」
「ちょっと待ってください」
俺は、美少女に尋ねた。
「君は、いったい何者なの?」
「私、ですか?私は」
美少女が屈託のない笑顔で答えた。
「私は、このルージナルスの女神フローディアです」
マジで?
俺は、言葉を失った。
この娘がすべての元凶か!
「全部、お前のせいだったのか!」
「だから、お詫びにフォローしてるじゃないですか」
フローディアは、わたわたとしている。
うん。
なんか、目が泳いでるし。
俺は、にっこりと微笑みを浮かべた。
まだ、何かあるんだ?
俺は、危機を察知していた。
ものすごく嫌な予感中だ。
「子供を産ませるだけじゃなくて、まだ、なんかあるんだな?」
「ええっ?まあ、その」
フローディアがあはっと明るく微笑んだ。
「ちょっとだけ、イベントとかが」
「イベント?」
「はい」
女神が視線をそらした。
おかしい。
男の俺が子供を産むことをとうぜんのように受け入れさせようとしているこいつがこんな反応をしているなんて。
俺は、フローディアを問い詰めた。
「何を隠しているんだ?全部吐いちまえよ!」
「はい」
フローディアは、おどおどと俺のことをうかがっていたが、やがて口を開いた。
「実は」
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