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第24話

 3ー4 高額奴隷、売られていくよ。  「いいの?あれ」  「あれって?」  俺は、クーランドにきかれて笑顔で答えた。  「あんなハムシみたいなクズ女神、俺は、もう関係ないし」  俺たちは、しばらく荷台に乗せられたまま移動していた。  俺は、クーランドにきいた。  「俺たち、どこに連れてかれるんだ?」  「さあ。たぶん、ノイスジーラ王国の王都ルミニスじゃね?」  王都、か。  俺たちは、それから小一時間ほど揺られていたが、不意に馬車が停まって荷台の扉が開いた。  「降りろ!」  すげぇ強面の顔に傷のあるスキンヘッドのおじさんに命じられて俺たちは、次々と荷台から降りていった。  外はまだ明るかったが、夕暮れらしくて馬車の周囲には幾つもの篝火が焚かれていた。  そこは、大きな商館の中庭のようで俺たちの乗っていた馬車の回りには人だかりができていた。  「みんな、奴隷を買いにきた客だ」  クーランドが俺にそっと囁いた。  俺は、ぐるりと人々を見渡した。  気のせいか、みんな、血走った目をしてなんか、怖い。  俺は足早にその場を通りすぎようとしたが、突然、人混みからぬっと出てきたごつい手に腕をとられて立ち止まった。  「おい!こいつを買いたい」  へっ?  俺は、びびりまくって声の主を見上げた。  そいつは、小山ほどある大男で黒いローブを頭から被っていて、何者かもわからなかった。  ただ、見ただけでもはっきりとわかるぐらい仕立てのよさげなローブから、金持ちだということだけははっきりとわかった。  「これは、これは。ワーウルフ様ではございませんか。ご無沙汰しておりました」  商館からでっぷりと太った商人らしき男がでてくると揉み手をしながら近づいてきた。  「こちらの奴隷をご所望ですか。さすがは、お目が高い。ですが、残念なことにこれにはもう買い手がついておりまして」  「誰だ?」  「はい」  デブの商人は、恭しく答えた。  「実は、ここだけの話ですがフロウ様でございます」  「奴が?」  ワーウルフと呼ばれたそのローブの男は、俺の腕を掴んだまま離そうとはしなかった。  「なぜ、奴が奴隷など?」  「さあ、私どものようなしもじもにはわかりかねますが。ですが、この奴隷を買うといわれまして、すでに代金もいただいておりますから」  「いくらだ?」  「それは」  デブの商人は、暗い目をして何かを考え込んでいたが、やがて答えた。  「1億ジーズでございます」  「「1億!?」」  ワーウルフとかいう男と同時に聞き覚えのある声が重なった。  俺は、ちっと舌打ちした。  あっちいってろ!  クソ女神が!  俺は、声のした方をちらっと見てしっしっと手を振った。  あ、ヤバい!  俺の行動をじっとワーウルフが見ていたことに気づいて俺は、体を固くした。  だが、ワーウルフは俺をちらっと見下ろしただけですぐにデブの奴隷商に向かって言った。  「3億出す」  「3億ジーズでございますか?」  デブの奴隷商は、頭を振った。  「問題になりませんな。この場合、金額では」  「なら、4億ジーズに宝玉を10個つけよう」  ワーウルフの言葉にデブの奴隷商は、にんまりと笑った。  

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