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第38話

 5ー2 幼馴染みですか?  俺がどうしたものかと頭を悩ませていると何か騒がしい物音がきこえてきた。  どうやらメイドのワチさんと誰かが言い争っているようだった。  なんだ?  俺が顔を扉へ向けたとき、何人かの男たちが部屋へとなだれ込んできた。  「「「セツ!」」」  俺に駆け寄ってくる3人の男たちを見て俺は、驚きを隠せなかった。  「お前たち!?」  「大丈夫か?セツ。なんかされてないか?」  流れるような銀色の髪を腰まで伸ばしたアイスブルーの瞳の美形が俺の座っているソファの隣に座って俺の手を握りしめた。  「ああ、すっかりやつれてかわいそうに」  はい?  呆気にとられている俺の脇に膝まづいた青い髪の毛に金の瞳の美丈夫が俺の膝に手を置いて俺を見上げた。  「苦労したんだろうな、セツ。でも、そんなお前も美しい」  マジで?  俺の背後に回り込んだ背の高い深い緑の髪を短く刈り込んでいる筋肉質の男が俺の肩に両手を置いて優しくマッサージしてきた。  「セツ、会いたかった。こんなに体が強張って。怖い目にあったんだな」  「「「セツ、これからは、俺がお前を守るから安心しろ!」」」  いやいやいや!  俺は、しばらく驚きで声もでなかった。  なんでこの人たちがここにいるわけ?  「お前たち、なんで?」  俺は、ようやくそれだけきくことができた。  ここは、確か、異世界だったよね?  なんで、俺の元の世界での幼馴染みたちがここに?  しかも、何?  こいつら、変なコスプレまでしてるし?  「何?これ」  俺は、とりあえず目の前にいる青い髪の美形の頭にはえている大きなもふもふの猫耳を軽く引っ張った。  「あぅんっ!」  青い髪の美形が目を閉じて感極まったような声をあげた。  「あっ!いいな!」  銀髪の美形が羨ましそうに言うと、頭をそっと俺に寄せてきた。  「俺も!」  はい?  俺は、仕方なく銀髪の額から突きだしている青いきれいな角に触れた。  「はふん!」  変な声を出して、銀髪の美形は、目を閉じて俺の胸元へとすり寄ってきた。  「お前たち、抜け駆けするな!」  背後から緑色の長い尻尾が俺の顎に伸びてきたから俺は、その尻尾をきゅっと掴んだ。  「ふあぁっんっ!」  緑色の髪の大男が悶絶した。  

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