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第164話

 15ー10 この世界で生きていく。  俺は、スマホ女神の言葉に驚きを隠せなかった。  「ええっ?会わせられるの?」  「当然です」  スマホ女神は頷いた。  「なんのためのスマホですか?」  というわけで。  俺は、スマホでお袋に連絡を入れた。  もちろん、ロインのテレビ電話モードでだ。  うん。  2コールぐらいですぐに電話は繋がった。  スマホの画面に懐かしいお袋の顔が見えたときには、俺は、思わず泣いてしまっていた。  「お袋・・」  「泣く前に報告なさい、セツ」  お袋がなぜか怒りモードで俺に告げた。  「こんな長い間、連絡もせずに。そっちで、何があったのか説明なさい」  おれは、今までのことをかいつまんで話した。  そして。  ロバートのことをお袋に紹介した。  「これが俺の息子のロバート。ロバート、おばあちゃんだよ」  「ばぁばっ!」  お袋は、ほっこりと笑ったかと思うと、次の瞬間、俺にきいていた。  「で?」  「はい?」  俺が問いかけるとお袋がせっつくように。  「肝心の嫁は、どこです?」  「嫁?」  「とばけないで、セツ。この子の母親、グレイアム侯爵家の跡取りを産んだ女性は、どこです?」  「はぁ・・」  俺は、申し訳なさげに説明した。  「この子の母親は、俺、なんだ」  「なんですって?」  お袋は、ハトマメ状態だったがすぐにことの次第を理解していった。  「つまり、この子は、エイダス・フロウとあなたの子供だというのですか?セツ」  「ああ」  俺が肯定すると、お袋は呻いた。  「なんてことを」  「でも、俺は、この子を産んでよかったし」  俺は、ロブを抱いて微笑んだ。  「父親もたくさんいるしね」  俺の言葉にお袋は、はぁっとため息をついた。  「あなたをそんな淫らな子に育てた覚えはありませんよ、セツ」  吐き捨てるように言ったお袋に、側できいていたロイが我慢できなくなったのか、俺を抱き締めた。  「私のかわいいセツを侮辱することは、例え母上であろうとも許さん!」  「誰です?あなた」  「私は、108の魔王の内が一人、ロイザール・アルデバロン。セツの夫の内の1人だ」  「本気で?」  お袋がますますハトマメでひいていた。  「魔王が相手だったのですか?」  「いや、その、主に、ね」  俺のあいまいな返事にお袋が言葉を失った。  急に、お袋の横から妹のボタンが顔を出した。  「兄貴、マジで子供産んだわけ?すげぇな!」 「あなたは、引っ込んでなさい、ボタン!」  「ちぃーす、えっと、お義兄さん?はじめまして!セツ兄の妹のボタンです!」  お袋への連絡はボタンの乱入によりぐだぐだに終わった。  だが、スマホ女神によると、これからも普通に連絡がとれるとのことだったので、俺は、安心していた。  さすがに、俺も、心細かったのだ。  お袋は、俺に確認した。  「あなた、こちらの世界に戻る気は、ないのかしら?セツ」  はい?  俺は、一瞬だけ固まってしまった。  だけど。  俺は、すぐに返事をした。  「ああ、俺は、この世界で生きていく」  

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