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第7話

 昼食を終えて喫茶店から出て駅前の美容院に連れてかれた湊音。理容店しか行ったことがない湊音はおしゃれで広い美容院は初めてでキョロキョロ見渡す。  が、その大きなフロアーではなくて個室に通される。その中には金髪のおしゃれな男の人が立っていた。少し湊音より年下のようである。 「私の友達連れてきたよ、大輝」 「あ、この人? こんにちは初めまして。オーナーの大輝です。よろしく」 「槻山です、よろしくお願いします」  湊音は明らかに緊張している。筋肉質でイケメンな大輝の笑顔に少しどきっとする。李仁はというと個室の後ろ側にあるソファーに座る。 「癖毛だね。頭もいい形、髪もしっかり生えてる、強い毛。……よし、決めた。じゃあシャンプーから。昭くん、お願いね」  大輝は湊音の髪の毛を少し見ただけでどうするかもう決めたようだ。湊音は訳のわからぬままシャンプーに連れていかれる。  シャンプー担当の人も若い男の人でいい匂いがする。湊音はなんだか夢のようだと感動している。  そしてシャンプーを終えて大輝のもとへ。李仁はニコニコして待っていた。 「はい、明日のデートのためにさらにカッコよくしますね」 「お願いします……」 鏡越しに李仁が見ているのに気付いた湊音は 『デートって言ったのかっ』  と恥ずかしくなる。だが目の前に写る自分がどんな風になるのかドキドキしている。色々と会話をしながら大輝に施されていく。湊音は彼に委ねてリラックスして緊張もほぐれた。  そして出来上がった髪型。ドライヤーで乾かして整えられる。 「これが僕?」  いつも決まった髪型で理容店で整えていたがそれとは違う。少し若返ったような湊音。 「さすが大輝くん。おしゃれー」  李仁も大喜び。湊音は褒められることがなく恥ずかしくなるが何度か自分を鏡で見てしまう。  個室から出る際、湊音は大輝に止められ耳元で囁かれた。 「また来てください、今度ご指名ください。 湊音さんなら指名料取りませんから」  と。湊音はふと大輝の顔を見るとものすごい笑顔であった。 『すごい笑顔だな……でもこの人になら任せてもいいかも。そいやこんな高そうな所、いくらするんだろう。個室だし』  と受付に行くと李仁が既に会計を済ませていた。湊音が慌てて行くと彼から袋を渡された。 「お金は気にしないで。あ、これシャンプーとトリートメント。大輝くんがあなたの髪質見て選んでくれたから」 「そ、そんな……悪いですよ。払います」 「払わせて、ね」  李仁は湊音にウインクをする。本当に色っぽい仕草である。化粧も薄くしているのであろう、でも自然な感じである。 「さぁ、こっからよー。行きましょう!」 『うわぁあああ、どうなっちゃうの僕?!』

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