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出会い
「わかったな。これにこりたらケンカすんなよ?」
何で陸に説教されなきゃいけないわけ?
2週間前。
他のチームの奴とケンカしてちょっと肋骨にヒビが入るケガをした。
「颯太」
「翼?何しにきたの?」
「見舞いにきたんだよ」
「結婚したんだからあまり俺ばかり構わないでさ」
「店も順調だしさ大丈夫」
目の前にいるこいつは真中翼 。
あの真中商事の現・社長。
趣味の飲食店もしている。
「ゆっくり休んでケガ治せよ」
「わかったから出て行って」
翼は心配して来てくれてるのに。
「わかったから。じゃあな」
あの家が嫌で嫌で仕方なかった。
いつも、翼の家にいた。
そしたら何を思ったか。
翼が親父に話をつけてくれた。
小6の時。
翼のマンションの隣だけど。
あの家から出ることができた。
それから2週間後。
なんとか退院し久々にたまり場に行った。
「退院したのか?」
「昨日ね」
「颯太。紹介したい奴がいるんだ。ちょっと待ってろ」
翼は群れの中へ。
その中に見慣れない子がいた。
女の子?
男の子かな?
近くにいた陸に思わず聞いていた。
「ね、陸!あの可愛い子誰!?」
「あぁ。あいつは由貴って言って翼が連れてきた奴だよ」
「颯太!こっちに来いよ」
「由貴。こいつ、橘颯太。うちのNo.02だ」
「翼、この子が?」
「そ。由貴だよ。可愛いだろう?」
なんだ。
男の子か、残念。
??
なんで残念なんだろう??
「初めまして、由貴くん。俺は橘颯太だよ」
「初めまして。猪熊由貴です」
「由貴。颯と由貴は歳あまり変わらないて知ってるか?」
「俺、ピッチピッチの15歳だよ」
「俺、誕生日来たら13歳」
「まだ中一?」
「うん」
「由貴くん。ちっちゃくて可愛いねー」
「可愛いって俺は男なんだけど!」
「わかってるよ」
中性的で小柄な由貴くん。
由貴くんは昼からたまり場にいた。
俺も。
学校に行ってないみたいだった。
学校からテスト受けに来いて言われたから久々に学校へ。
「橘生きてたのね」
こいつは唯川莉音 。
俺の友人。
「まぁな。テスト受けろってウザいし」
「またそんなこと言って」
「テストで満点取ったら文句言われないから頑張るけどな」
学校行きたくなくて行かないでいたら親呼び出しされた。
そして。
その条件がテストで毎回95点以上全教科取る。
それを条件に普段学校に行かないのを許された。
「やっっと終わった!」
着替えたらたまり場に行こうっと。
「颯太。久々じゃん」
「テストだったからね」
「テスト真面目に受けるのか?」
「そういう約束なんだよ。学校と」
「変な約束したなお前」
「その代わり学校行かなくても何も言われないし」
由貴くんはどこかな。
翼とまたいる。
「…………」
「由貴くん!翼と何してるの?」
「颯太。翼からお菓子もらった」
「ひとくちちょうーだい?」
「まだあるからこっち」
「それでいいよ」
由貴くんの食べているのをひとくちもらう。
「!?」
「颯太!」
「お前な。由貴が食ってるのわざわざもらわなくてもいいだろうが!」
「…………由貴くんじゃなくてなんで翼が怒るの?」
「怒ってねぇよ」
絶対怒ってる。
一体なに??
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