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第13話

 そしてその教えは今も活きている、と思う。 「だって、あなたと一緒のベッドに眠るようになるなんて、考えてもみなかったもの」  ニネットの素行の悪さに人々は、なぜバーラのように真面目な方があんな男と付き合うのですか、と問いかける。  お世辞にも美丈夫とは言い難い風貌に人々は、なぜバーラのように美しい方があんな男と付き合うのですか、と問いかける。 「人、それぞれですから」  くすりと笑って、いつも返す言葉をニネットの耳元で囁いた。 「ん……、バーラ?」 「ごめんなさい、起こしちゃった」  もぞり、とベッドの中で動いたニネットは、バーラに軽くキスした。 「この唇が、俺の悪口でも言ってたんじゃないの?」 「解かっちゃった? ニネットおじさん」 「それ言わないで、って言ったろぅ?」 「目尻に皺、見つけちゃったよ」  そう言いながらも、バーラはその皺にキスを落とした。 「笑い皺のある人は、幸せになれるよ」  二人寄り添い、ぬくもりを与え合った。  外の嵐は、もうバーラの幸せな眠りを妨げることはなかった。

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