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第1話
聞いてくれるかな?俺の後悔の話。まぁ勝手に話しているだけだから、そのままでいていいんだけど。特に気にしないでね。
俺には友人がいるんだ。親友っていうのかな?唯一無二の存在なんだけど、ソイツと幼い頃から俺はずっと一緒だったと言っても過言では無いんだ。俺が日本に来たのもほとんどアイツが理由。一緒にいたかったんだ…なんだか照れちゃうね、素直に口にするのって。
そうそう、そいつの名前、四季って言うんだけどすっごく良い奴なんだ。人の為に動けるような、いっつも笑顔でつられて笑っちゃうような明るい奴。
四季といるとつくづく俺は人運が良いんだろうなって思うんだ。アイツと仲良くなれたのなんて偶然だったんだよ。特に信じてもいない神様に感謝したいくらいの偶然。出会えてなかったら、なんて想像も出来ないな。出会わなければきっと今の俺とはかけ離れているんだろう。出会えたのなんて四季の親が仕事でフランスに一ヶ月だけいたからなんだよ。俺の家の近所に住むことになったらしい。そこにまだ幼かった四季もついてきてたから俺は四季と会えたんだ。
初めてあったとき四季ってば、俺のこと女の子だと思ってたらしい。っていうかしばらく俺が男だと信じてくれなかったくらい。そういえば幼い頃はよく間違えられてたな〜。
あの頃の俺たちはお互いに言葉が通じてないのにね、ずっと一緒にいて楽しかったなぁ。観光について行ったり、楽しいところを紹介したり。四季の親がいない間家で預かってたりとか。たまに通じてないことわかっててもついつい四季に怒鳴っちゃって、ごめんね、許してくれるかなぁ?日本語が喋れないイライラをぶつけてしまっていただけなんだよ。うわぁ俺ってヒドイ人だね。最低だよ。四季と喋りたくてせっかくいっぱい練習してたのに何で通じてないの!?って。それを四季にぶつけちゃうなんて。結局四季が帰るまでに喋れたのは「四季」「ありがとう」「いってらっしゃい」の3つの言葉だけだった。たった3つの言葉だけなんだけど、四季に教えてもらってそれが使えるようになることがすごく嬉しかった。四季に直接感謝出来たからね。そういや四季が帰るまでに「いっぱい遊んでくれてありがとう。大好き」って言いたかったんだっけな。
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