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第5話

「初めて会ったとき?」 「うん。転園してきた時凄く不安だったんだよね。そんな俺に一番に声をかけてくれたのがりり君だった。始めは女の子って思ってたんだ。だからプールの時同じものがついててびっくりで。でもさそれも可愛く見えてずっと触ってみたいって思ってた。それであの日触っちゃった。ごめんね。ずーっと触ってたかったけどりり君寝ちゃったからそこを仕舞って俺も寝たんだけどね。今思えば本当に変なやつだよね。自分でも引く…」 そういうとしかめっ面でべーってした。その表情は昔よく見ていた表情で変わってなくてなんだか嬉しかった。 「それからさ…君にキスしようってしたことも覚えてるんだ…校庭をぼんやり見てる姿が凄く綺麗で…でも…やめてって言われてから…なんか自分が怖くなった。多分このままりりくんと一緒にいたらあの頃たまたま何かで見たワンシーンみたいにりりくんを裸に剥いて部屋に閉じ込めてガラスケースに飾ってずっと出さな…」 「ちょ…ちょ…ちょ…待って…どんなもん見てるのよ!!その年齢で!」 「あぁ。俺一人っ子でさ父も母も働いていていつも忙しいから親代わりにタブレット渡されてたんだよね。だから何かを見てたときにたまたま間違って変なサイトに繋いじゃったみたい。それに夢中に…」 「怖い怖い怖い…」 「そんなことしないって。まぁ同意なら考えるかもけど」 「えっ!!」 俺はとんでもない人を好きになってしまったのかもしれない… 「嘘だよ。そんなのつまんないじゃん。閉じ込めたら手も繋げない抱きしめられない…そんなの耐えられない…ねぇ。りりくん…こんな俺だけど…いいの?」 それでもやっぱり好きでどうしようもないから… 頷くと彼は優しく微笑んでもう一度抱きしめてくれた 俺の初恋は実った。これからも彼に恋をするのかな?彼もそうだったら嬉しいと思う。 「あ。そういえば…くーちゃんとりり君って付き合ってるんじゃないの?」 「ないない!くーちゃんは俺のこと丁度いい男よけくらいにしか思ってないから」 「そうなの?今でもくーちゃんは君のことが好きだっていってたよ。俺のせいで帰ったって怒ってたよ?」 「えっ!?くーちゃんが好きだったのは高瀬くんでしょ?高瀬くんと両思いだぁって俺に言いに来たよ」 「は?あぁ…りり君が俺に取られないようにそう言ったんだな…」 「えぇ!?」 「りり君さ自分がどれだけモテるか知らないでしょ?」 「ないない!こんな平凡のお手本みたいな人間なんだからさ」 その時何故か渋い顔をした高瀬くんの心理はわからない… おわり

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