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第3話

「あなたみたいな素敵な人に、私は吊り合わない。他にもっと、お似合いの人がいるはず」  笑いを含んだ優希の声。  意地悪で言っているわけではないだろうが、あまりに当たり過ぎて落ち込む。  これまで、いろんな女の子と付き合ってきた。  みんな可愛くて性格のいい、素敵な子だった。  だが、決まって別れを切り出されるのだ。  彼女らの方から告白してきたのにもかかわらず、だ。 (でも今度は、年上の大人っぽい人だった。巧くリードしてくれてる気がしてたんだけど……) 「いつものパターンだな」  慰めの気持ちを表すために、優希は自分のベーグルを半分要人の皿に乗せてやった。  そんな女たちの気持ちが、優希には解からなくもない。  立派過ぎるのだ、要人は。  あまりに真っ直ぐで凛々しくて、人間味に欠けて見えることすらある。  初めは喜んで付き合っていた女子たちが、次第に恐れを抱くようになる気持ちは解かる。  うなだれる肩を叩きながら、優希は優しい声をかけた。 「きっと次は、うまくいくさ」 「そうかな」  今まで何度も聞いた言葉。  いつも優しい、優希のセリフ。   彼はいつも、俺の事を解かってくれる。  誰より傍にいてくれる。  そう。ほんのさっきまで恋人だった女の子より、ずっと……。

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