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第4話

 そこで息を呑んだ。  ベーグルの塊が喉に詰まり、要人は盛大にむせた。 「大丈夫か」  飲み物を差し出し、背中をさすってくれる優しい手。  すまない、とその日はそれで終いにした。  自分でも驚く、でも妙に納得もいくその感情。  その日は、それで蓋をした。  だが、膨らんでゆく気持ちが抑えられなくなるまで、時間はかからなかった。 (優希が恋人だったら?)  幼い頃から、いつも一緒にいた二人。  誰より通じ合い、誰より解かり合っているはず。 『あなたみたいな素敵な人に、私は吊り合わない。他にもっと、お似合いの人がいるはず』  俺たち二人。  似合いの相手は、もうお互いしかいないんじゃないか?  想い始めると、募る。  募れば苦しくなる。  苦しくなると、伝えたくなるこの気持ち。  

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