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第123話
「あっあっあっ……、やっ、嫌だっ!」
最近では痛みしか感じない箇所に手を伸ばされた咲也は顔を青くさせて暴れた。
その様子に渉との情事に慣れていると思っていた神楽が本気の怯えと嫌がりように少し驚いて暴れられないように体を押さえ込む。
「ん?怖い?使ったことあるよな?」
「い、痛いから嫌だ……」
足をバタつかせながら抵抗する咲也に神楽は目を見開いた。
あの渉相手に手酷い扱いを受けているのかと驚く。
兄の猛ほどではないが、渉が遊び人なことは自分の耳にも多かれ少なかれ届いていた。
優しくとても丁寧で楽しい営みをする男だと耳にしていたが、この咲也を見ているとそうとは取れず目を見張った。
これは……
咲也が不感症なのか、はたまた渉の経験値不足なのか。
もしくは、優一がいうように咲也の好意を逆手にとって性欲処理の相手として扱っているのか……
どれが本当なのか分からなかったが、青ざめる咲也の恐怖心を払拭してやりたいと神楽は思った。
「咲也、大丈夫だから。痛いことなんてしないよ…」
「んっ、はぁぅっ……」
蕾から手を引いて少し萎えてしまった咲也のものを手に取り、神楽は快感を引き出していった。
少し甲高い声を抑えるようにキスをする。
口内を舐められるのが好きなのか、体から力を抜く咲也に気を良くした神楽は洗面台の引き出しを無造作に開いていった。
そこから優一が買い溜めしているローションを見つけ出すと封を切って掌へと熱を加えるようにローションを温めた。
「はぁ、ふ……んんっ…」
目を閉じてキスに夢中になる咲也は可愛い。
腰も揺れていつものストイックさが崩れ、妖艶さに惹きつけられた。
友人の弟で、その容姿が少し似ていることから相手にするなんてあり得ないと思っていた自分がこんなにのめり込むことに神楽は苦笑した。
これは、ちょっと手放すの惜しくなるな……
懐かない猫が自分だけに懐くかもしれないと思うと、とてつもない優越感を感じそうだ。
渉もそうなのだろうかと、ぼんやり考えながら再び神楽は咲也の蕾へ指先を触れた。
「ひっ!」
ツプッと、指を一本差し入れると体を強張らせて身を竦められた。
「大丈夫。俺に任せとけ」
竦む体へ多数のキスを降らせて神楽が言うと、咲也は紅茶色の潤む瞳をあげた。
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