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第5話
監督に、
『前嶋さんみたいなスタートが出来るようになりたいから直接教えてもらいたい』
そんな事を言ってみたらあっさり前嶋さんの家を教えてくれた。
「俺からも連絡しておくから、自分で前嶋にお前の気持ちを伝えて来い」
学校からバスで10分くらい。
前嶋さんは家業の酒屋さんで働いているとの事だった。
「いらっしゃい!!」
180センチのオレより少し低い身長。
茶色の縁のメガネをかけた前嶋さんは、プールで見る時とは違って物腰の柔らかな、落ち着いた感じの人に見えた。
「あ、あの、オレ、水泳部1年の西賀智海です!!」
優しい笑顔に、ますますドキドキした。
けど、黙っていても何も始まらないって思って、オレは夢中で前嶋さんに話しかけていた。
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