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第12話
14日目がやってきた。
怜也が凱の妻になってから、2週間だ。
「どう? 夫婦生活を送った感想は。原稿書けそう?」
そんな問いかけに、凱は青いインクで書きこまれた原稿用紙をひらひらさせた。
「おかげさまで、何とか書けたよ」
「良かった!」
「ああ。ありがとよ」
そう。確かに原稿は書けた。
だが、これで怜也がいなくなると考えた時の喪失感はなんだろう。
「今日で僕は凱の妻を辞めるけど、2週間とっても楽しかったよ」
「……」
(なぜココでそんな素直になれるワケ!?)
凱の脳内では、二者択一が迫られていた。
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