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第14話
「じゃあ、帰るね。さよなら」
あまりにあっけない怜也の腕を、凱は思わず掴んでいた
「まだ2週間目きっかりまで時間あるだろ。ランチ、一緒に食おう」
眼を丸くしていた怜也だったが、花が開くような笑顔は心底嬉しそうだった。
「じゃあ、喜んで」
「そうと決まれば買い出しに行ってくるぜ」
「一緒に行こうか?」
「たいした量じゃねえから大丈夫」
凱を見送った怜也は、彼のいない間に掃除を始めた。
「身についた習慣だね」
デスクを拭こうと近寄ると、そこには原稿用紙が。
嫌でも目に入るし、見るなとは言われてないし、無造作に置かれているしで、怜也はそれを読んでみた。
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