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第8話 番外編 ある日のお出かけ side凌馬&敦士
今日は、敦士の弟である龍聖に誘われて、俺と敦士、そして、龍聖と出かけることになったんだけど……。
なぜか、集合場所に行ったら、もう一人待っていた。
その人物は、龍聖に翔真と呼ばれていた。
最初は、たぶん、友達だと思っていた俺と敦士。
しかし、時間が経つにつれ、その考えは打ち消された。
だって……、龍聖と翔真は、恋人繋ぎをしていたからだ。
そして、たださえ、龍聖のことが可愛くて仕方ないブラコンの敦士は、機嫌が悪くなっていった。
俺は、そんな敦士の様子に、オロオロするばかり。
トイレに行くと言い出した龍聖に、俺も行きたくなり、一緒に入った。
「なぁ、龍聖。翔真君とは、恋人なの?」
思い切って、俺は、トイレが終わった後、龍聖に聞いていた。
「そうだよ。何か、問題でも?」
あっけらかんに言う龍聖。
俺は、それ以上、聞くのをやめた。
だって、今の龍聖は、とても幸せそうだからだ。
そして、二人がトイレに行っている最中。
「…おい、お前。」
「えっ?お前じゃなくて、翔真って呼んで下さい。お兄さん。」
「お前なんかに、お兄さん呼ばわりされる覚えはない。ところで、龍聖のこと、本気なのか?」
「えっ?」
「『えっ?』じゃない。龍聖のこと、本気なのか?って聞いているんだ。」
「はい。本気で、大好きですよ、龍聖のこと。」
キッパリと言い切ったコイツの顔を見た俺は、その言葉が本当なのだと悟った。
「龍聖は、俺の大事な弟だ。幸せにしなかったら、許さないぞ。」
「はい。それは、もちろん。お兄さん。」
「だから、お兄さんって呼ぶな。」
その後、トイレから戻ってきた凌馬と龍聖と合流した俺たちは、その日のお出かけを楽しんだのだった。
END
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