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第7話 告白の結末② side凌馬&敦士

俺は、ある海辺に来ていた。 たぶん、ここに凌馬はいる。 そう思っていたら、本当に凌馬はいた。 俺と凌馬は、半ば見つめ合う形で、お互いの存在を確認したのだった。 なっ、何で、ここに敦士がいる……? 俺は、驚きを隠せなかった。 自分の気持ちを知った敦士が、どんな返事をするのか、なんて、分かりきっている。 その言葉を聞きたくなくて、逃げ出してきたのに……。 「やっぱり、ここにいた。」 そう言って、敦士は、俺の隣に座った。 「お前、いきなり、走り出して、あの場から逃げ出すんだから……。」 「…ごめん……。でも、俺……。」 「…なぁ、聞いてくれるか、凌馬?」 「…うん……。」 「俺は、凌馬のことが大好きだよ。」 えっ? 今、敦士、何て言った? 俺の聞き間違いじゃなかったら、俺のこと好きって言った? 「何て顔しているんだよ、凌馬?もう一度、俺の気持ちを言おうか?」 「…ううん……。分かったから……。」 俺は、不覚にも泣き出してしまっていた。 それも、敦士の前で……。 だって、嬉しかったから……。 本当に嬉しかったから……。 「凌馬、そんなに泣くなよ。」 そう言うと、敦士は、そっと俺の左手を握り締めてきた。 「ごめんな、今まで……。凌馬をいっぱい傷つけてきて……。」 俺は、言葉を発することなく、首を横に振るだけだった。 そして、その日、俺と敦士は、恋人同士になった。 そんな俺たちを祝福するかのように、初雪が舞い始めたのだった。

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