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第6話
澪の住む男子寮へ、蒼大は到着した。
「澪、開けてくれ」
間もなく、ドアが細く開かれた。
だがしかし。
「蒼大、僕たち別れよう」
そんな言葉と共に閉ざされるドアの隙間に、蒼大は素早く足を挟んだ。
「待てよ。だったらせめて、理由を話せよ」
何も言わずに、ただ涙を零す澪だ。
「お前、俺のこと頼りになるって言ってくれたよな。今が、その時じゃないのか?」
蒼大の説得に、ドアは開いた。
澪の出した紅茶を飲みながら、二人は無言だった。
やがて、澪が重い口を開いた。
「僕の実家、すごい田舎なんだ。市や町じゃなくって、村」
子どもの頃は、虫捕りしたり、川で泳いだりしたよ、と話す澪。
「可笑しいでしょ。トレンド追ってる人間が、実は田舎出身だった、なんて」
「そんなことない」
ちゃんと最後まで話してくれ、と蒼大は優しく促した。
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