「おい！」 「キスの時に喋っちゃダメじゃん」 　今度は澪が目を閉じた。 「全く、仕方がねえなぁ」 　蒼大は、澪にキスをした。 　温かな熱を通わせながら、二人は一つに溶け合ったクチナワサマを思った。 　俺たちも。 　僕たちも。 　あんな風に、互いを愛せたらいいな。 　二人の愛は、始まったばかりだ。 　クチナワサマのご加護がありますように。 　蒼大と澪は、そう想いながら互いを見つめて微笑んだ。