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第18話
一連の出来事を宮司の神託から告げられた村人は、澪を称えた。
『クチナワサマを神様にして差し上げるなんて、大したもんだ!』
石づくりの祠は、立派なものに建て替えられた。
村人が通い、祈りや供物を捧げる聖地となったのだ。
「でも、蒼大が全く無視されるのは、納得いかないな」
「いいんだよ。俺は、よそ者だし。せっかくの澪の手柄だし」
「えへへ」
「な、何だよ」
澪は、蒼大の腕に自分の腕を絡ませた。
「やっぱり蒼大って、頼りがいがあってカッコいい!」
照れる割には、腕を振りほどかない蒼大だ。
「蒼大に、ご褒美あげるね」
目を閉じて、という澪の言葉に、蒼大は瞼を閉じた。
すると唇に、柔らかく温かな感触が伝わって来たのだ!
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