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ぼくの好きなもの
ぼくは、子どもの頃から「女の子らしくてかわいいもの」が大好きだった。
ふわふわ揺れるリボン、フリル、レース。
キラキラ輝くビジューやパール。
かぼちゃの馬車やガラスの靴、白馬の王子様に毒リンゴ、ハート女王やトランプの兵隊。
ケーキにマカロン、アイシングクッキーにキャンディ。
蔦薔薇に囲まれたお城や猫脚の家具、花かんむりにピンクのドレス。
ロココにヴィクトリアン、アールデコ……
女の子なら一度は憧れたり、心ときめかすようなものが、ぼくは大好き。
子どもの頃は人形やぬいぐるみ、美少女アニメに出てくる魔法のステッキなんかを欲しがって、両親(特に父親)を困惑させた。
でも、人目が気になって仕方ない気持ちもあった。
他の子からしてみたら、ぼくのこういうところは奇異にしか見えないし、子どもって残酷だから、外で美少女アニメやお人形遊びが好きだってことを言えば、ひやかしやいじめの種になるのもわかっていた。
だから、保育園や学校では戦隊モノや少年マンガが好きなフリをして周囲に合わせ、家に帰れば2人の姉と人形遊びしたり、少女マンガの話で盛り上がる。
そんな毎日を過ごしてながら成長していき、今はすっかり立派な社会人。
でも、少女趣味は相変わらず。
それが高じて、今はロリィタファッションに夢中になっている。
普段はサラリーマンやって、週末になれば大好きなロリィタ服でお出かけ。
お金はかかるし、服の管理は手間がかかって仕方ないし、サイズの合う服に出会うのもなかなか一苦労だけど、何がなんでも、好きなものは好き。
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