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備品倉庫でまさかのエッチ

  「か、ける……?」 「……えーと……霧島に聞いたんだ。お前、熱あって、保健室にいるって」 「……ぁ、おう……」 「でも、保健室にはいないし……ひょっとしてと思って来てみたら」 「え、でも、え? 部活……は?」 「外、雨降ってきてさ。今日はお開きにしたんだ」 「雨……?」  そういえば、備品室のくすんだ窓が、大きな雨粒で濡れている。それを目にした瞬間、俺は今の自分の状況がどれだけ恥ずかしいかということにようやく気づいて、バッとジャージの前をかき合わせた。 「こ、ここ、これはだな……!! ええと!!」 「……あのさ、鍵くらいかけとけよ。俺じゃないやつが入ってきたら、どうなってたと思う」 「えっ、いや、その……これは別に!」 「ったく不用心だな。……こんな、エロい格好してんのに」  翔はスポーツバッグをその場に落として、俺のそばに近づいてきた。俺は慌てて体育すわりをしてフル勃起したペニスを隠し、翔から目をそらす。恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうだ。どうしていいか分からなくて、顔が熱くて熱くて、ぶっ倒れそうだ。 「……瀬名」 「な、な、何も言うな!! ええと、俺は……その……」 「舐めていい?」 「はっ!?」 「舐めて欲しいんだろ? 舐めさせてよ」 「……っ、で、でも、」  翔をちらりと見てみると、どこまでも穏やかで真摯な眼差しがそこにあった。てっきり軽蔑されると思ってたのに……。 「……俺も、ずっと我慢してたんだぞ? 一人で勝手に気持ちよくなろうってのはずるいだろ」 「……ず、ずるいとか……」  翔が、ジャージの上を脱いだ。つるんとした黒のプラクティスシャツ一枚になった翔は、マットの上に座る俺のほうへ、ゆっくりと四つ這いで近づいてくる。 「……チューしたい。だめ?」 「だっ……だめじゃねーけど……」 「ほんっと可愛いなお前。こんなとこで、俺の名前呼びながら一人でするとか……」 「バッ、バカにすんじゃねーぞ!! 俺はただ、」 「好きだよ、瀬名」  甘い愛の言葉の直後、翔は俺の口を唇で塞いだ。大きく開いた唇で、俺のセリフごと飲み込んで黙らせてやろうっていうような、いつになく荒々しいキスだった。  すぐさま舌が入ってきて、翔がぐっと身を乗り出す。ゆったりとしたペースで口の中を愛撫されて、舌と舌が絡まって、もう……とろけそうなくらいエロいキス。気持ちよくて、気持ちよくて……俺は夢中で翔の舌を追いかけて、スポドリの味がする唾液をいくらでも舐め取った。  いつまででもキスしてたかったけど、俺は早く乳首を舐めてもらいたくてしょうがなかった。翔が俺のを舐めるところを、早く見たくてたまらなかった。押し倒されてしまいそうに濃厚なキスから顔を背けて、俺ははぁはぁいいながら、翔に言った。 「翔……はやく……舐めろよ……っ」 「どこを?」 「ど、どこって……そんなの、決まってんだろ……」 「もうちょっと可愛く言ってほしーなぁ?」 「そ、それは……ぁあ、あん」  翔が、ジャージからむき出しになったままの競泳水着を指でなぞった。さっき慌てて仕舞い込んだナニは、まだまだ硬くて元気一杯。それを見つけた翔が、上目遣いに俺を見た。そして、唇を釣り上げる。 「……舐めて欲しいのは、こっち?」 「ち、ちがう……っ!!」 「じゃあ、どこ?」 「んんっ……あぁ」  翔の指先が、盛り上がった俺の股間を撫であげていく。びくつく俺を見つめて、翔はちゅっと俺の鼻先にキスをした。 「……どこ?」 「そ、それは……」 「ねぇ、教えてよ」 「……くっそ……バカ野郎……!! あぁ分かったよ言えばいーんだろ言えば!! ち、乳首だよ……!! 俺のおっぱい舐めてくれって言ってんだよバカ!!!」  俺がヤケクソでそう喚くと、翔はすげぇ楽しそうに笑った。……ってか笑うとこじゃねーだろ馬鹿野郎!! 「瀬名って、ほんっとかわいいのな」 「うっせーバカ!! バカ翔!!」 「はいはい、バカでいいよ」  翔は優しい微笑みを浮かべて、どさりと俺を押し倒した。  そして念願の翔の舌が、俺の乳首に……!! 「ァ、はあ、ぁっ……!!」  食らいつくような愛撫だ。さっきのキスでたっぷり潤った翔の唇と舌が、俺の乳首の上を激しく淫らに動き回ってる。同時に翔の暖かい吐息が肌をくすぐり、快感のあまりぞくぞくと肌がざわめいた。  胸筋ごと食まれるように荒々しくむしゃぶりつかれたり、いやらしく音を立てて吸われたり、れろれろと舌の腹で強く舐め回されたり……あぁ、もう……すっげ、気持ちいい。最高……! 「ぁ、あ、あんっ……んぁ、あっ……! 翔……はぁ……イイ……っ」 「急に素直になっちゃって。さっきまであんなにツンツンしてたのにさ」 「ぁ、はぁっ……だって、ずっと……舐められたくて……っ」 「ほんと……かわいい。……はぁ、エッチしたいな……」 「んんっ……ん、ぁ……!」  ぴったりと張り付いている競泳水着をずらされる。そこからすぐに露わになった俺のペニスを、翔はもう片方の手できゅっと握った。 「あ、ぅあ、さわんなって……イくっ……!」 「イっていいよ。ずっとつらかったんだろ? 出していいから」 「でもぉっ……ぁ、あん、んっ……」 「フェラして欲しい? 俺の口に出す?」 「やだっ……おっぱい、舐めて欲しいからっ……」 「ほんっとココが好きだね、瀬名は」 「ぁああ、ああんっ……!!」  かり、と歯を立てられた瞬間、俺はビクビクっと派手に身体を跳ね上げてイってしまった。ちんこなんてただ握られてただけなのに、乳首噛まれてあっという間にイっちまうとか……うわ、恥ずかし……。 「……もうイったの? すごいね、瀬名」 「はぁっ……はぁっ……はぁ……っ、そゆこと、言うなってーの……!!」 「だって、すごいよ。瀬名の身体、どんどんどんどんエロくなる」 「んっ……ちょ、おまえ……何、」  翔はぐったりしてる俺の身体を抱き起こしたかと思うと、そのままくるりと俺をうつ伏せにした。まだ頭がクラクラしてるってのに、ちょっと埃っぽいストレッチマットの上で四つん這いにさせられて、汗でぴったりと張り付いた競泳水着を太ももまでずらされて、尻を丸出しにさせられて……。  ――え? 尻? 「翔……おまえ、」 「瀬名のエッチなこれで、できないかなと思って。痛かったら言って、すぐやめるし」 「ちょっ……ぁ、うわ……っ」 「いっぱい出たね、瀬名。つらかったろ」 「ぁ、ああっ」  俺の精液でぬるついた翔の指が、アナルの入り口をやわやわと撫で回す。こんなところで、何の準備もなしにそんなことをするなんてありえねぇって思ってるのに、俺の身体の方は盛り上がる一方だ。翔の猛々しいそれを欲しがるように、ひくひくいやらしくひくついてる。 「ん、ああ……バカっ……誰か来たら、どーすんだっ……ぁ、んんんっ……」 「鍵かけてるから、大丈夫。……どう? 気持ちいい?」 「ぁア、……んん……きもち、けど……バレたらっ……」 「大丈夫だよ。すぐ終わらせる」 「ひっ……」  指が増える。すっかり翔にいじられることに慣れた俺のアナルは、あっさり緩んで翔の指を貪った。  くい……くい、とゆっくりと蠢く指の腹が、俺のイイところを完全に捉えた。イったばっかのペニスはすぐにまた鎌首をもたげ、ぽた、ぽたと透明なヨダレをマットの上に滴らせる。 「ぁ……はァ……イイ……そこ、すき……」 「……挿れていい? すっごいエロいよ、ここ。ぬるぬるになって、俺の指に吸い付いてる」 「いいから、挿れろよ……。はやく、そこ……翔のちんぽで、擦って……」  前立腺をいじらられる快楽に溺れながら、俺は首だけで翔を振り返った。翔は自分のジャージをずらして極太のペニスを取り出すと、すぐに俺の尻に擦り寄せて腰を揺らす。 「ン、も……はやく……焦らすんじゃねーよ……」 「……うん、挿れるよ」  そう言うや、翔はゆっくりとした動きで、俺の中に分け入って来た。ずず、ずずっと俺のナカにめり込んでくる熱い熱い翔のそれに最奥まで貫かれてしまえば、気持ちよさのあまり声も出ない。  弓なりにしなった背中に、翔の両手が添えられる。水泳部の黒いジャージをまくられて、背中と腰と尻がむき出しにさせられた。翔はとろけそうに色っぽいため息をつきながら、「瀬名……すっげ、きれい」と呟いて、ずん、ずんと、俺のナカで暴れ始めた。 「ぁ、あっ……あ、ぁん、ンっ……!」 「バックでするの……初めてだな……。痛くない?」 「ないっ……きもちいぃ……っ、ぁ、ああっ……」 「細いな、腰。すげ、きれいだよ。……自分で腰振ってんのも、エロくて最高」 「振って……っ、ねぇよっ……!!」 「振ってるよ。ほら……分かる? もっと欲しいんだろ? 奥がいいの?」 「ぁ、アァっ……おくっ……ん、んんっ……イイ……」  徐々に速度を上げて攻め立てられるたび、信じられないくらい甘ったるい嬌声が口から漏れた。俺はジャージの裾を噛んで声を殺しながら、自分勝手に腰を振ってセックスを貪った。  翔にも、あまり余裕がなさそうだ。腰の動きが徐々に徐々に激しさを増すにつれ、パン、パン、パンっといういやらしい破裂音が、狭い倉庫内に高らかに響き渡る。  翔は腰を振りながら俺の背中を撫でていたが、ふと、片手が俺の乳首に回った。  背後から指先で押しつぶされて、つままれて、こねくり回されて……もう、こんなことされたら……も、無理……っ!! 「ぁん、ん、ん、んんっ……かけ……る……っ、イきそ……おれ……ぁあ、」 「待って……俺もイキそ……外に、出すから、」 「出せよ……そのまま……! ナカで、出せよ……!」 「でも……うわ、締めすぎ……っ」 「あ、イクっ……イクっ……ん、はぁっ……!!」  俺はぎゅうっと身体を縮めて、中でイかされる凄まじい絶頂感に震えていた。俺がぎゅうぎゅう翔のアレを締めつけてたせいで抜く暇がなかったのか、翔も俺の中でイったようだ。  俺の背中に覆いかぶさって、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す翔の吐息が、ほんのり白く烟ってる。この部屋の寒さなんかお構いなしでセックスしてたってことに、俺は今ようやく気がついた。 「ごめ……中で、出しちゃった……」 「いいよ……俺がそうしろって言ったんだし……さ」 「け、けどさ、腹痛くなるんだろ? すぐトイレとか行って……」 「ちょっと落ち着けって……」  さっきまでけだものじみたセックスをしていたくせに、イッた途端に賢者モードの翔は、俺の身体を気遣ってあたふたしている。  そういうとこが可愛くて、そういう優しいとこにきゅんきゅんさせられて、俺は重たい身体をマットから起こし、ぎゅっと翔に抱きついた。 「瀬名……」 「こんなとこでヤるなんて、サッカー部部長の名が泣くぜ」 「だ、だってさ……あんなもん見せられたら、途中で止まれないだろ」 「あんなもん?」 「俺の名前呼びながらオナニーしてんだよ? そりゃ、興奮するだろ」 「おなっ……。おい、それはもう忘れろ。いいか、忘れろよ。ぜーったいに忘れろ!!」 「いーや、忘れられねぇな。すっごいエロくてかわいかった。またやって欲しいくらいだよ」 「ん……」  翔はそう言って俺の頭を撫でながら、優しいキスをしてくれた。中でイカされたせいでまだどことなく身体中が熱いけど、心はたっぷり満たされてて、すげー幸せな気分だった。 「あ。俺、まだ水着なんだった。部活終わる前に、シャワー浴びてくるわ。お前のも……出さなきゃだし」 「あ、うん……ごめん。チャリ置き場で待ってる」 「謝んなって。チャリ置き場な、すぐ行くわ」  水着を引き上げ、ジャージを着込む。外見はいつもの俺なのに、今は身体の中に翔の飛沫を隠しているのだと思うと、なんだかやたらと照れくさい。  だから俺はわざとらしい大声で、話題を変えた。 「け、敬太たちと出くわさねーように気をつけねーとな。何してたんだって追求されそーだし!」 「そーだなぁ」 「ほ、ほら行こうぜ! お前も汗だくじゃん! 部室でシャワー浴びてくれば!?」 「いや、瀬名の匂いが消えるのは寂しいからなぁ。俺はこのまま帰るよ」 「あ……そ、そーかよ……うん……」  しれっと嬉しいこと言ってくれやがる翔、ほんっと可愛い。マジ、こういうとこほんっと好き。大好き。  ……なんて、そんなこと、恥ずかしすぎて言えるわけねー。  その代わりといっちゃなんだけど、倉庫を出ようとしている翔のシャツを手繰り寄せて背伸びして、俺は翔のほっぺたにキスをした。 番外編・おしまい

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