1 / 17
第1話
「完成だ!」
駈け込んで来たのは、幼馴染の三笠 令司(みかさ れいじ)だ。
放課後、白衣を着て理科準備室に籠るのが彼の日課だ。
そんな令司を隣の理科室で待っていたのは、梶井 泰彰(かじい やすあき)。
彼の実験が終わると、宿題を教えてもらう。
これが泰彰の日課だ。
今日はマンガを読みながら待っていた。
「何ができたんだ? 一応聞いてやる」
「馬鹿にするな」
そう言う令司の手には、透明の液体が入ったビーカーが。
彼は、それを掲げて見せた。
「これはどんな物質も溶かす薬なんだ!」
「なぜビーカーは溶けないんだ?」
「あれ?」
泰彰は、ため息をついた。
ともだちにシェアしよう!