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友だちだから大丈夫.2

  あー、からだがあちこち痛い。  目が覚めたオレはまず何よりも先にそう思った。  一ミリでも動いたら錆びついたロボットみたいに節がギシギシと音を立てそうだ。  おまけにろくに働かない頭でぼんやりと天井を見つめていると、今度は現状がよく分からなくなってきた。 「あれー……オレいつ寝たんだっけ? 覚えてないんだけど……え、こわ」  朝を迎えていることは部屋の明るさから分かる。昨日帰ってきて、それで……?  必死に思い返していると、少しずつ映像が浮かんできた。  昨日の試合はあとちょっとのところで負けてしまったけど、もっと時間が経てば褒めてあげられる部分もありそうな充実した試合だった気がする。  それでも負けは負けだ。  悔しくて、自分が腹立たしくて、身も心もボロボロになってここへ帰って来た。  そうだ、それで凌平がお疲れと言ってくれて、動けないのか動きたくないのか自分でもよく分からない状態だったところを大浴場へ連れていってくれたのだった。  おかげで遅くなってしまった夕飯も一緒に食べて――オレはろくに食べられなかったが――この部屋に戻って来て。  もう寝ろ、とベッドに押し込まれたのを思い出す。  頭を撫でられた途端、ものの一秒で気絶するように眠った気がする。  同級生たちがたまに母ちゃんみたいだと茶化すほどに、凌平はなにかと面倒見がいい。それは相手がオレとなると更に拍車がかかることを自分でも自覚している。  どうやら昨日もまた、そんな凌平に甘えきってしまったらしい。  その凌平はと言えば、部屋の中に姿が見当たらない。机のスペースにもいないし、隣のベッドにはきちんと畳まれたタオルケットがあるだけだ。  野球部は今日も朝から活動なんだっけ。  たっぷり寝たはずなのになとまだ働かない頭に半ば呆れ、あくびをひとつ零し起き上がり、そこでようやくオレはからだの異変に気がついた。  何てことはない、単なる朝勃ちだけれど、何もこんな日にまでと自分にげんなりしてしまった。  もっとこの後悔にきちんと落ちて、出来るだけ早く明日への糧にしてまたサッカーに励むのだ、と。決意の朝にしたかったのに。  抗えない生理現象にため息をひとつ吐いて、オレはもう一度部屋の中を見渡した。  ルームメイトのいる寮生活は楽しくて気に入っているが、ネックがあるとしたら唯一これだろう。いくら凌平と仲が良くたって、抜くタイミングはどうしたって難しいのだ。  通常であればトイレに向かうところだが、今は幸いひとりだし早くても昼まで凌平は戻らない。

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