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それって最強.13
「俺さ」
「うん」
「純太にああいうこと言われると、舞い上がりそうになる。意味分かる?」
「う、ん。多分?」
「……でも俺と同じ意味じゃないだろうからって、あんまり考えないようにもしてた。お前みんなに人懐っこいし。まあそういうところも好きなんだけど」
「うん。……うん? いや、うん、それで?」
さらっと言われた“好き”に思わず反応したけど、あれだ、友だちの“好き”だ。だってそれこそ勘違いしたくない。
一種の防御反応なのだろう、まさかそんなはずはないしと端から可能性を捨てながら先を促すと、凌平はムスッとした顔を隠しもせず言った。
「純太」
「は、はい」
「好き」
「うん」
「……意味分かってる?」
「え、うん。友だちの好きだろ?」
「……違う。付き合いたい、って意味の好き。分かる?」
「…………」
今なんて言った?
付き合いたいって意味の好き?
それってオレと同じ、ってこと?
舞い上がりそうになったのも一瞬で、オレはぶんぶんと首を横に振る。
「う、うそだ」
「嘘じゃねーよ」
「だって、だって凌平、き、キスしてくんないじゃん!」
「っ、純太……」
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