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それって最強.12

 オレたちはきっと、他の寮生たちより特別に仲がいい。それは抜き合いを始める前からだってそうだ。ああいうことをするようになって、それでも気まずくならなかった仲が嬉しくて、ただ、こんな目を向けられるのは初めてで。  どこか拗ねたようなセリフと共に、だけど熱っぽく、オレだけをまっすぐに見ている。 「俺さ、昨日すげー嬉しかった」 「っ、昨日?」 「純太が早く会いたいって言ってくれたの。あとは俺に触ってほしいとか、くっつきたいとか。泣いてんのも可愛かったし」 「っ、な、泣いてんのバレてたの!? うわー恥ず……もう全部忘れてほしい……」 「無理、もう何回も思い出してるし。俺さ、勘違いしたくねえからずっと真に受けないようにしてたけど……もうそれもやめるわ。サッカー部のヤツらに牽制されたし?」 「……ごめん凌平、バカにも分かるように頼む」  勘違いしたくないと言われるのは覚えている限りでは2回目だ。1回目は、初めてオレからも凌平に触れた日。そうだ、あの時もどういう意味だと聞きたかったのに、凌平に翻弄されて疑問はオレの中に引っ込んだままだった。  聞いていいのかな、聞いたらオレたちの何かが変わってしまうんだろうか。怖くて、だけど凌平ともっと仲良くなれる可能性もあるのなら、オレはそっちに進みたい。

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