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それって最強.15

 告白なんかするつもりはなかったけど、いつかそんな日が来たらもっとかっこよく決めたかったのにな。  実際は鼻をグズグズと啜っている。そんな情けないオレの腕を立ち上がった凌平がそっと引く。 「純太、あっちに座ろ」 「……どうしても?」 「ああ、頼む」  力を借りてどうにか立ち上がると、室内へといざなわれる。再び腰を下ろしたのはオレのベッド。並んで座ると、オレの右手は凌平の左手の中に納まってしまった。 「っ、なんで手つないでんの」 「いや?」 「……いやじゃねー。めっちゃドキドキする」 「うん、俺も」  なあ純太、聞いてくれる? いつもの心地いいトーンの優しい凌平の声に、オレはいつだって断る術を持たない。うん、とだけ頷いて、不格好に抱えた膝に額を預けた。 「純太のこと、マジで好き。キスしなかった、ていうか出来なかったのは、好きだからだし」 「……もっと分かりやすく」 「ふは、うん。うーん、俺にとってもさ、キスって好きなヤツとするもんでさ。純太にしたいって言われた時すげー嬉しかったけど。純太はそういう意味でしたいんじゃないんだろうな、って思ったから。俺だけ好きですんの、虚しいな、っつうか、したらしたで止めらんなくなりそう、っつうか?」 「うう~」 「純太? ふは、なに唸ってんの?」  オレの髪を空いたほうの手でかき混ぜてくる凌平。そのひとつひとつの仕草が全身をビリビリと痺れさせる。  なんだこれ、なんだこれ。

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