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それって最強.16
「虚しくなるって思われてたのも、止めらんないかもって思われてたのもマジ? オレドキドキしすぎて死にそう……だって……めっちゃ好き、みたい、じゃん」
「うん、そう」
「っ、」
ガバリと顔を上げたオレの視界は残念なことにゆらゆらと潤んでいるけれど、それでも凌平が微笑んでくれているのが分かった。
なあ凌平、本当は分かってたよ、凌平がそんな嘘つくわけがないってこと。ただオレの中に特別光ってるこの気持ちが凌平の中にもあって、それがオレに向けられているなんて、自分のことが信じられなかっただけ。
堪らなくなったオレは、凌平の首に両腕を巻きつける。頬に当たる凌平の首から、ドクドクと凌平の生きている音が聞こえて、オレはもう何回目かの涙を啜る。
「凌平、好き。マジで両想い? すごすぎん?」
「うん、すげーな」
「あっ……やば、い」
「…………? ハグしてるだけで?」
「ん、だけで、やばい」
凌平はオレの腰に手を回してぎゅっと抱きしめてくれた。えろいことばかり沢山してきて、こういうスキンシップは初めてだからか、好きだと気づいたからか。たったこれだけのことに体がどうにかなりそうなくらい反応してしまう。
息が上がって苦しくすらあるのに、離れたくない。
凌平の名前をくり返しながら鼻をすり寄せて、凌平のにおいを肺いっぱいに吸いこむ。体の中心が熱くなり始めるのは、もう条件反射のようなものだ。
好きなヤツのにおいって甘い毒みたいだ。ドクドクと血液が体中を駆け回るのを感じながら、オレは凌平の目を覗きこんだ。
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