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第1話

いっけなぁい遅刻遅刻〜っ。 僕は本日、生まれて初めての朝寝坊という大事件に直面していた。 毎日早起きして朝食を作り、一番良い時間に僕がベッドを降りるまで起こし続けてくれるママは婦人会の小旅行。そんな時頼りになるパパはというと、週に一度回ってくる早番で既に出社している。 誰もいない家にたった1人僕を残して、いつも通り起きられると思うなよっ。 自分で朝食を作るだけの能力は無いし、パパのように通勤途中のコンビニで弁当を買う時間の余裕も無い。 台所で見つけたレトルトカレーを片手に、僕は中学校までの道のりを全力で走っていた。 こんな風に走っていると、やっぱり夢を見ちゃうんだよな。ほら、あそこの突き当たりなんかどうだろう。よく見るアレだ、偶然同じタイミングで走ってきた子とぶつかってときめく──ッ 「うをわぁばぼぎゃぶっ」 「あ、ワリ…」 自転車は想定外だろうがよ。 持っていたレトルトカレーごとぶっ飛ばされ、僕は向かいの塀に頭から激突して死んだ。 ああ…ママ、パパ、今までありがとう。 最期の朝、おはようとも言えなかった親不孝な息子で本当にごめん──。 「いや死んでねえっつーの」 「ハッ!!」 「起きた?」 慌てて飛び起きると、そこには見た事のない制服を着た男の子が立っていた。 ……ぶつかって倒れた僕じゃなく、ちょっと傷ついただけの自転車を心配そうに撫でながら。

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