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第2話
「理央。 僕の話、聞いてた?」
「ふぇ? あ、ご、ごめんね。 えっと…、何だっけ?」
もうっ…と、ぷくっと頬を膨らます。上目遣いに、むぅ、と睨んでくる仕草も様になる。その可愛らしさったらない。七央のオーラはキラキラと輝いていて、オレはまたうっとりと見惚れてしまう。それに何となくいつもいい香りがする。これもオレにはうっとりポイントだ。
「りーおっ! ちゃんと僕の話を聞いて!」
「うぁ、うんっ、うん。 聞くよ」
「来週のパーティ。理央も一緒に行こうって誘ったんだけど? お返事は?」
「え…っと、ぅ、うん。 あの、オ、オレはその、…ぃ、きたーーー」
「い、 よね? 理央も一緒に行きたいって言って!」
半年に一度開かれる社交パーティ。そこに集うのは将来を約束された地位の高いアルファ達と、そんなアルファの番候補に選別された、身元の確かなオメガ達。彼らの出会いと人脈作りの為に、国の正式な催物として開催される、謂わばアルファとオメガの合同お見合いみたいなもの。
そんな由緒正しい社交パーティに、今年二十歳を迎えた久住七央は招待された。それにこのオレを連れて行こうと、再三に渡って誘われているのだけれど……。
「で、でも、オレなんかが行っちゃ駄目なやつだよ? 七央は招待状があるから行くのは当然だけど、オレなんか、入口でつまみ出されちゃうよ」
「平気。だって僕のお誘いだもん。 理央は僕の同伴者として、ちゃんと出席出来るようにしておくから大丈夫!」
要するにお供として着いて来いって事か。ならオレの答えは一つだな。
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