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バイト先 side遊馬

採用通知がきてから初めてのバイトの日 俺は大学の授業が終わると颯爽と大学を出た それはもう、女達から「もう帰るの?!?!」と驚かれるくらい速く そして、二度目となるSINONOME COFFEEに足を止めた 確か、従業員は入口が裏だったんだよな 俺は裏にまわり、狭い路地にあるドアを開けた 「あ、バイトの子?」 俺がドアを開けると、たまたま近くにいた(と思う)背の小さな子が俺に声をかけた 「あ、はい。」 「ってことは、日高遊馬くん???」 「はい」 「はっくーん!」 俺の名前を確かめると、奥にあるカーテンにいるらしいはっくんという人を呼んだ 「じゃ、こっち!入って入ってー!」 俺は言われるがまま、中に入った しばらくして、カーテンから白いエプロンをしたこれまた少し小さいやつが出てきた あれ、こいつ…… 俺は目の前に居る男に目を疑った そこに居たのは、俺の中で「オタク」と思っているやつだった こいつが、はっくん… てか、本名知らねぇ オタクの胸にあるネームプレートを見ると「東雲」と書かれていた 東雲、ね。 俺はネームプレートから東雲の顔に目を戻す 目に驚きを隠せないでいるやつが映っていた

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