11 / 12

新しいバイト side一

朝、起きたら樹さんからLINEが来ていた 『今日から新しいバイトの子来るよ。日高くんっていう子なんだけど、その子には接客やってもらうつもりだから。あとで二宮くんにも言っとくね。』 新しい子なんて、珍しい…… 樹さんはよく面接をするのに、まだ二宮くんしか採用してないから驚いた… 俺は『わかりました』と送ると、のそのそとベッドから出て顔を洗う (新しい子……嬉しいけどあまり関わりたくないな…) 二宮くんが来て数ヶ月たってからやっと話せるようになったのに、また新しい子が来るなんて… 忙しいから嬉しいけど、やっぱりな…… 俺は少しどんよりとした気持ちのまま大学に向かった。 こんな日に限って日が流れるのは早い あっという間にバイトの時間になってしまった。 俺は思い足でバイト先に向かう 白いエプロンを着けて、キッチンに立つ 俺にとってキッチンはちょっとした秘密の場所でもある オープンキッチンになってはいるものの、冷蔵庫や火を使うところはお客さんから見えなくなっているため、ときどきそこに隠れてはキッチンの壁にある窓から景色を眺める まぁ、接客っていってたからここには来ないよね… 俺は窓から離れると、早速頼まれたメニューをつくり始めた 「はっくーん!ちょっと来てー!!」 お客さんがいなくなった頃、二宮くんがスタッフルームから俺を呼んだ 二宮くんは初めてあった頃からはっくんって呼んでる 最初は、馴れ馴れしくていやだな…と、思っていたけど今は少し馴れている 「なに?」 「新しくきたバイトの子!日高 遊馬くんだよ!」 明るくいう二宮くんの言葉に耳を疑う… 日高 遊馬って、もしかして…… 俺はゆっくりと、二宮くんから日高くんという子に顔を向ける そこには 「………」 「あ……」 俺の知ってる日高 遊馬がいた

ともだちにシェアしよう!