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新しいバイト side一
朝、起きたら樹さんからLINEが来ていた
『今日から新しいバイトの子来るよ。日高くんっていう子なんだけど、その子には接客やってもらうつもりだから。あとで二宮くんにも言っとくね。』
新しい子なんて、珍しい……
樹さんはよく面接をするのに、まだ二宮くんしか採用してないから驚いた…
俺は『わかりました』と送ると、のそのそとベッドから出て顔を洗う
(新しい子……嬉しいけどあまり関わりたくないな…)
二宮くんが来て数ヶ月たってからやっと話せるようになったのに、また新しい子が来るなんて…
忙しいから嬉しいけど、やっぱりな……
俺は少しどんよりとした気持ちのまま大学に向かった。
こんな日に限って日が流れるのは早い
あっという間にバイトの時間になってしまった。
俺は思い足でバイト先に向かう
白いエプロンを着けて、キッチンに立つ
俺にとってキッチンはちょっとした秘密の場所でもある
オープンキッチンになってはいるものの、冷蔵庫や火を使うところはお客さんから見えなくなっているため、ときどきそこに隠れてはキッチンの壁にある窓から景色を眺める
まぁ、接客っていってたからここには来ないよね…
俺は窓から離れると、早速頼まれたメニューをつくり始めた
「はっくーん!ちょっと来てー!!」
お客さんがいなくなった頃、二宮くんがスタッフルームから俺を呼んだ
二宮くんは初めてあった頃からはっくんって呼んでる
最初は、馴れ馴れしくていやだな…と、思っていたけど今は少し馴れている
「なに?」
「新しくきたバイトの子!日高 遊馬くんだよ!」
明るくいう二宮くんの言葉に耳を疑う…
日高 遊馬って、もしかして……
俺はゆっくりと、二宮くんから日高くんという子に顔を向ける
そこには
「………」
「あ……」
俺の知ってる日高 遊馬がいた
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