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応募した子 side樹
月曜日の深夜、バーが終わりパソコンを開くと1通のメールが来ていた
内容はバイトの応募
(またか……)
ぶっちゃけ、俺の写真を載せてから応募が絶えない
面接をすれば、大抵俺目当てだとわかる
だから、今まで何度となく面接をしてきたが、合格したのはたった1人
この子も、そうなのかなぁ…
そう思いながらメールをみる
(日高 遊馬くんね。)
俺は日程や当日の持ち物などを書き込み、返信すると大きく背伸びをした
当日、面接に来たのは渋谷とかにいそうな長身のイケメンだった
(なんでここに?ホストでも通用しそうなのに…)
そんな考えも面接を始めるとすぐになくなった
俺の質問にていねいに答え、ときどき俺の顔をみる
その表情からは不安が窺える
この子は、大人びていて女の子たちからモテそうな顔とは裏腹に、素直なのだろう
俺は初めて雇った時にした最後の質問をした
「わからないけど仲良くしたい、か…」
うん、あの子なら、きっと……
俺は早速、日高くんにメールを送信した。
もちろん、「採用通知」のメールを。
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