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海輝の思考は常にポジティブな方向へぶっちぎっている
錦と話す時間確保の為なら女子社員が嘆こうが、自分が居ないせいで同期が上司のパワハラの餌食になろうが、自分を気に入ってくれている上が不機嫌になろうと落胆しようと知ったことではない。
錦と話す時間確保の方が大事なのだ。
異論は認めない。
邪魔する奴は指先一つでダウンだ。
こうして無事帰宅できた海輝は、食事と入浴を全て終えて電話片手に二十一時になるのを待つ。
曜日やその日の状況にもよるが錦は大体平日、十九時前後から夕食を開始してその後二十時過ぎ頃に入浴。
体の負担を考えて長風呂は控えてるので、入浴時間は約十五分程度長くても二十分であることは把握している。
そして、就寝時間は二十二時だ。
よって二十一時ごろが電話する時間帯としては最良なのだ。
学生と社会人では生活スタイルが違い過ぎる。
互いの予定が中々あわない。
住んでいる場所も遠く離れている。
当然、平日のクリスマスなんて、スケジュール的にも一緒に過ごすなど無理なのだ。せめて声だけでも聴きたい。
当然錦だって僕の声を聞きたい筈だ。
錦に愛されている自覚と自信があるので、そう信じて疑わない。
海輝の思考は常にポジティブな方向へぶっちぎっている。
プレゼントも届いて居る筈だし、あとは肉声メッセージで僕と錦のクリスマスイベントは完成される。(海輝は、二十四日と二十五日の二日に渡り電話しプレゼントも贈る。錦は二十五日にメッセージカードとプレゼントを贈ってくれるのだ。)
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