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キスする前に出来ること【解決編】12

「なに…それ…」 「恭介…」 「…は…、」 「動くなよ…?」 かなはベッドに座る俺の足の間にしゃがみ込むと、ベルトのバックルに手を掛けた。 予想外の事態に俺が目を白黒させているうちに、かなはいとも簡単に俺の下半身を露出させる。すでに半勃ちだ。俺の息子だって…まさか愛しい恋人との初対面がこんな形だと思っていなかっただろう。 恥ずかしさと焦りで、俺はパニックに陥る。 「ちょちょちょちょ何!!!?なんで!!!?なにしてんの!!!?」 「お前…でかっ!!!まだフル勃起してない状態でこれかよ!!?嘘だろ!!?…やっぱ背高いとこっちも比例してデカくなるもんなのかな……」 「あっ、ちょ…!!なんで触るの!!?あっ!!!かな…もしかしてトラウマ克服したの…!?」 「…いや…多分してない…けど、うん……やっぱり大丈夫だ…気持ち悪くならない」 「はぁ!?じゃ、じゃあなんで…!!?うっ…あっ…!ちょ、ちょっとストップッ!!!!ちゃんと説明して!!!?」 だっておかしいでしょ…?昨日はキスも出来なかったのに…!いきなりこんな…!!! かなは一旦手を止めて、俺を見る。 「あー…実は……お前とのこと相談した時…暁人にアドバイス貰ったんだ」 「……え?暁人…?」 「そう…お前の態度がおかしいなーって思った時一番最初に暁人に相談したんだよ俺…」 「……?うん…」 「で、そん時俺…恭介は俺と性行為出来なくてしんどくなってるって勘違いしてて……それを暁人に言ったら……」 「…言ったら?」 「………スーパー斜め上のアドバイスが返ってきたわけ」 「………斜め……上?」 「うん」 『あの、さ……俺……ずーっと思ってたことがあるんだけど…』 『…ん?なに?』 『……あ、いや…俺のこの仮説が要の悩みを解決することになるかは…わかんないんだけど……ある意味、提案…?』 『……?なんだよ…随分回りくどいな…言いづらい話か?』 『まぁ……、そうかも…』 『どんなことでもいいから…とりあえず言ってみて、暁人』 『うん、あのね……?…要のトラウマは自分が受け身の時に発動してるんじゃないかな……?』 『え……受け身…?』 『そう…つまり、要側からなら性行為出来るんじゃないかっていう…仮説…!だって要はその…オナニーはするよね?ってことは……要は性的なこと自体に嫌悪してるんじゃなく、それを自分に向けられるのが嫌なのかなって…』 『……………なるほど……、そんな風に考えたこと無かった…』 『でしょ?だから、試してみるのもありなんじゃないかなって…』 『それは……俺から恭介を押し倒してフェラしろってことか?』 『ブフーーーーーーッ!!!!ねぇ!!だからオブラートに…!って…もういいや………俺が諦めるよ…』 『…というか…爽がそこまで暁人に仕込んでることに俺は驚いてるわ』 『へ?』 『だって、自分もやってなきゃその発想は出てこなくね…?』 『…あ』 「…って感じ」 「………」 「考えてみたら俺今まで他人にフェラしようとした事なくてさ…盲点だった」 「………」 「まぁそもそも俺がこれまで寝ようとしてた相手って名前も知らないようなやつばっかだし…その発想があってもちんこ舐めたいなんて思えなかっただろうけど…」 「………待って」 「……?なに?」 「…つ、つまり……」 「ん?」 「暁人のおかげで……俺は今から…かなにふぇ………フェラ………してもらえるって……ことですか…?」 「そういうこと」 「…………暁人ガチモンの天使じゃん」 俺の言葉にほんの少しだけムッとした顔になったかなは、すぐに俺の性器を鷲掴みにする。 「…っ!?」 「お前は天使の方が好きかよ…?」 「…へ!?」 「けどこの服は…天使タイプの暁人より…小悪魔タイプの俺の方が似合うと思わねぇ…?」 そう言うと、かなはチロっと真っ赤な舌を出して俺の亀頭の先を舐めた。同時に、長い前髪を耳に掛ける。 なんて色っぽいんだ…… かなの言う通りだ。この服をこれほど着こなす男は世界中探してもかなしかいないだろう。 そもそも俺は可愛い系より圧倒的にセクシー系の方がタイプ。暁人は確かに身も心も天使だけど、爽の恋人だし恋愛対象にはなり得ない。この服だって、シャレで贈ったんだ。 「お前の…マジでかいね…?口に入るかな…」 「…っ…!ちょ…待って待って待って!!!!!ンッ…!やば、すぐ出そう…!!」 「はぁ?嘘つくなよ…まだ舐め始めたばっかだぞ?」 「嘘ついてないってば!!!精神的にも視覚的にも刺激がエグすぎるって!!!!うあっ…!あーっやばいっ!!かな俺の手解いて!!」 「ダメ」 「なんでー!!!?」 「だって、お前今この状況の俺見て押し倒さない自信あるか?」 「えっ」 「無理だろ?」 「……グッ!」 「だろ?俺多分お前に主導権移ったら吐いちゃうし…だから、事前に手縛った訳」 け……計算し尽くされている…!!!! つーかなんだこの縛り方、痛くないのにぜんっぜん解けないじゃん!!! 俺が後ろを向いてゴソゴソやってるうちに、かなの手の動きは加速していく。 「うっ、アッ…!ちょ、マジで出るって!!!」 「…なぁ、恭介ってSM好きなのか?」 「え…!?」 「だって…この服ってそういう意味の服だろ…?けど俺…その、プレイ的な意味でお前のこと殴ったり痛めつけたりすんのは…抵抗があって……」 「いや、いやいやいや!!!そういう趣味は無いから!!!服が好きなだけ!!!」 「なんだ!そっか!!良かった~…殴ってくれって言われたらどうしようかと思った!」 例えSM好きだったとしても、かなに殴られたらプレイ中確実に絶命するだろ……と心の中で呟く。 でも実際、俺はこういう服が好きなだけでSMみたいなアブノーマルなセックスに興味は無し。むしろ、こういうエッロい服着た女王様タイプの美人をデロデロに甘やかして俺の下でかわいく鳴くところが見たい。所謂、ギャップ萌えってやつだな。…まぁ、こんな服を着せたい時点で十分アブノーマルだけど。 俺の性癖だけ考えたって、かなが如何に俺の好みど真ん中かわかるだろ?

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