27 / 62

正体

御前(ちち)の話は、こうだ 九尾の心臓を封じた石があった それが、18年前突如姿を消した 八雲の家と妖狐の家が必死に探したが見つからなかった が、その後何事もなく平穏無事な日々が続いた そして、17年前 不思議なことに樹齢1200年と云われている桜の木が突然花をつけ始めた その年にひとりの男の子が生まれた 彼は、全く妖力を持たずして生まれてきた その子は、最近まで八雲家の人間ですらその存在を知らなかったという 隠し子 「環です」 「は?」 「その男の子の名前ですよ。妖狐側は、殺そうとしています」 「山の異変が、九尾のせいであればな......適応しようと必死でやっと崇拝の対象となった。彼ら側からすれば今現在、その子の存在は脅威だ」 「だからって......」 スッと目の前に刃渡り40cm程の剣が差し出される 「......なんですか?」 「分かっているのだろう?わざわざ聞くのか?呪詛が全体に纏わせてある。ソレで心臓をヒトツキだ」 「――ッ!」

ともだちにシェアしよう!